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逆さの砂時計
Side Story
少女怪盗と仮面の神父 15
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がとうございま」
 「アーレストさまーっ!」
 ドカーン! と、いきなり派手な衝突音を響かせて、「何か」が神父に激突した。彼が吹っ飛ばなかったのは、その「何か」が細っこい女性だったからだ。
 (って、ちょっと。この人今、砂浜から来たわよ? 驚いてないで仕事しなさいよ自警団員! もしこれが怪しい奴だったらどうすんの!?)
 慌てふためく自警団員二人を睨むミートリッテの斜め前で、アーレストにべったり貼り付く謎の女性。
 背格好で判断するなら、ハウィスよりちょっと年下くらいか。
 「マーシャルさん……貴女が何故、此処に?」
 アーレストも酷く慌てている。
 「退屈だから来ちゃった」
 驚いて固まる一同を気にもせず、マーシャルと呼ばれた女性は舌先をペロッと出して笑った。


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