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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第106話
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!それって確か……前にジョルジュ先輩に武器に加工してもらった!?」
「ほう、話が早いな。あれはこのゼムリア大陸でごく稀に見つかる事がある、稀少な鉱物でな。内部に不可思議な輝きを秘め、凄まじいまでの強度を持つ。以前、機甲兵の開発の際に分かった事だが……―――”騎神”のフレームはそのゼムリアストーンによって構成されているのだ。”蒼”―――そしてお前の駆る”灰の騎神”もな。」
「そうだったんですか……」
シュミット博士の口から出た意外な事実にリィンは驚きを隠せない様子で相槌をうった。
「そして、クロウ―――蒼の騎神が使う”双刃剣”も間違いなく同じ素材らしい。――――ということは、だ。対抗するにしても、少なくとも『ゼムリアストーン製の太刀』が必要になるということさ。」
「あ……」
(というか、わざわざそんな物を用意しなくてもアイドスがご主人様が操縦している傀儡が今使っている剣に宿ればいいのだと思うのだけど。)
(確かにそうですね。幾ら鉱石の性能が良くても、”神剣”―――それも”古神”が宿る神剣には劣るでしょう。)
(……一理ありますね。ゼムリアストーンを探す手間が省けます。)
(え、えっと……確かに正論ではあるのですが……)
(それをしてしまったら、色々な意味で台無しになると思うわよ?)
ベルフェゴール達の意見を聞いたメサイアは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、アイドスは苦笑しながら指摘した。
「おそらく、精製するには大量のゼムリアストーンが必要だ。その上、精製法が確立されたのも最近になってからのこと……加工はおそらく困難を極める。……だが、材料さえ用意できるなら、私も協力してやらんでもない。”騎神”に対抗し得る武器……興味をそそるものではあるからな。」
「ふう、あくまでも自分の興味のためなんですよね。”機甲兵を開発した罪滅ぼし”くらい言ってくれれば少しは可愛げがあるんですけど。」
「気色の悪い事を言うな。そもそもゼムリアストーン自体、易々と手に入るものではあるまい。万が一”材料が揃ったら”の話だ―――その時は最高の図面を引いてやろう。このG・シュミットの名に懸けてな。」
「シュミット博士……感謝します。何とか方法を探してみます。」
「フン……期待せずに待っておこう。」
こうしてリィン達は、思わぬところからヴァリマールの武器についての手立てを得ることができた。その後ジョルジュと共に工科大学を辞して、全員と合流し……整備を終えたカレイジャスに乗り込んでルーレ市を後にしたのだった。
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