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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第105話
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したリィンは冷や汗をかいて呟いた。
「ええ……一体どんな交渉をしたのか知らないけど、あのメイド達もしばらくラインフォルト家で働く事になったわ。しかも一人を除いて名前が変よ。名前の後に付いている”ちゃん”や”さん”を含めて本名って色々とおかしいでしょう?」
「ハハ……」
ジト目になって呟くアリサの様子をリィンは苦笑しながら見つめていた。
「ふう、でもハイデル取締役も貴族なのに相当だらしないわね。アンゼリカさんの叔父さまをあまり悪くは言いたくないけど……」
「まあ、貴族だからこそちょっとハメを外したくなってしまったのかもな。会長を軟禁したことで相当気が大きくなっていたようだし。」
ハイデル取締役の様子を思い出したリィンは複雑そうな表情をした。
「そうね……母様に長い事頭が上がらなかった反動だったのかも。まあいいわ、そろそろチェックも終わりそうだし、他の部屋のチェックをしているミルモを呼んで……って、あら?」
「どうした?」
「いえ、デスクの本の間に何かが挟まってて…………これは…………」
幼い頃の自分と両親が写っている写真を見つけたアリサは呆け、リィンは写真に写っている人物達を見つめた。
「アリサの小さい頃の写真……?一緒に映っているのはイリーナさんと……」
「……亡くなった父様よ。でも、なんでこんな写真が……それも隠していたみたいに……」
仕事の鬼であるはずのイリーナ会長が昔の写真を持っていた事にアリサは信じられない思いを抱えてイリーナ会長の事を考えていた。
「……仕事の合間に、時々眺めていたのかもしれないな。ちょっと意外だけど……イリーナさんにとっても大切な思い出には違いないだろうし。」
「……母様……」
その後、二人はチェックを終え……25Fの展望スペースで一時休息を取る事にしたのだった。
「ふう、ようやく終わったな。ミルモがいるとはいえ、やっぱりかなり大変だったんじゃないか?」
「ふふ、まあそのときはやれるだけやってシャロン達に任せてたかも。……本当にありがとう、リィン。」
「え……?」
アリサに突如お礼を言われたリィンは呆けた表情をした。
「さっきの写真を見つけたのはあくまで偶然だったけど……リィンがいなかったらとても母様の部屋までは手が回っていなかったわ。ああして、母様の”想い”の一端に触れることもできなかったと思う。」
「……そんなことはないさ。アリサとイリーナさんは母娘なんだ。きっと心のどこかでつながっている。あの写真を見つけなくたって、いつか別の形で分かり合えるさ。」
「リィン……ふふっ、なんだか前の実習を思い出しちゃうわね。あの時もこの場所でリィンに話を聞いてもらった
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