機動戦艦ナデシコ
1338話
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リューノはどこか気まずそうに視線を逸らす。
その辺を突いてもいいんだが、折角有効な……向こうにとっては指摘されたくない失点があるんだから、その辺は専門家のエザリアに任せるとする。
「それに地球では殆ど出番がなかったが、宇宙に出てからはエステバリスも木星蜥蜴を相手にかなりの活躍している」
地球ではミロンガ改がエステバリスの出番を奪ったからな。……ナデシコが活躍したチューリップ戦の時だってチューリップの触手を相手に回避し続けているだけで、結局は被害を受けてナデシコに戻ってしまったし。
「つまり、アクセル代表はネルガルからナデシコとエステバリスを手に入れて木星蜥蜴に対抗すればいいと?」
「ああ。ナデシコとエステバリスは即戦力となるだけの力がある。ただ、木星蜥蜴の方でもディストーションフィールドを展開するようになっているから、そっちに関する対抗策は必須だろうけど」
その言葉に色々と言いたい事はあるのだろうが、グリューノは押し黙る。
自分達に戦力として使えるナデシコがあるというのは理解していたのだろうが、それでもやはりシャドウミラー製の兵器や他の世界の兵器を入手したい……といったところか。
「あー……その件だけど、ネルガル側としても連合軍との関係もあるし、出来れば協力したい。したいんだけど、色々と事情があるんだよ。アクセル代表の言い分は正しいと思うんだけど、ね」
公式の場だからか、いつものように呼び捨てではなく代表と付けてくるアカツキ。
「こちらとしても、ナデシコの能力を見た時点でネルガルには連絡を取っている。ただ、その時の返事がすぐに数を揃えるのは無理、というものだった」
「……それは製造が追いつかないからか? なら、戦艦だけじゃなくてエステバリスでも……」
「いやいや、そういう訳にもいかないんだよ。知っての通り、エステバリスは動力炉を外付けにする事によって小型、軽量化をした機体だ」
「ああ、それは知ってるけど?」
「つまり、エステバリスが動く為には、どうしても動力が必要になる。つまり、相転移エンジンから放たれる重力波ビームなんだけど……残念ながら、相転移エンジンがなければ、それだけの出力は得られないんだ」
「別に相転移エンジンじゃなくてもいいんじゃないか? この世界の戦艦の動力炉は駄目なのか?」
「残念ながら、ね。出力の問題でその辺は……けど、かと言って相転移エンジンを自力で作れるのかと言われれば……ぶっちゃけ、こちらもまた残念ながら出来ない。少なくても、今のままでは」
意味ありげな視線を俺の方へと向けてくるアカツキ。
何を言いたい? そう思ったが、ナデシコが古代火星文明の遺産であるというのを思い出せば、アカツキの言いたい事はすぐに分かった。
「なるほど。つまり、カトンボやヤン
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