第46話二頭の魔獣
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力《MP》を全てつぎ込み、次の魔法攻撃は防ぐという事。だが失敗すればキリトとライリュウが受けたダメージを回復する事が出来なくなってしまう。
だが戦いは待ってはくれない。次の魔法攻撃を仕掛けるために、《サラマンダー》の魔法使い達は呪文を唱えている。それに気づいたキリトとライリュウは盾を足蹴にして距離を取る。サポート役のリーファ達に迷っている時間はない。五人はユイの真剣な眼差しをその目に抑えーーー覚悟を決めた。
リーファ達は大量の蝶のような魔力で彼らにバリアーを張り、《サラマンダー》達が放った炎を防ぐ。
「パパ!ライリュウさん!今です!!」
視界が獄炎に染まってしまいそうな状況で、ユイが二人に叫んだ。キリトは剣を握る右手を掲げ、ライリュウは左手の人指し指と中指をピンと伸ばし前へ突き出した。その彼らは呪文を唱え始めた。それは《影妖精》の専売特許ーーー《幻惑魔法》。
それは見た目が自分のステータス構成にあったモンスターへと変身する《魔法》。だが言ってしまえば見た目がモンスターに変わるだけで、戦闘に使用するにはあまり向かない《魔法》でもある。だが、そんな理屈は彼らには関係ない。二人は敵が放った炎を巻き上げ、渦巻いた炎が消えた時にはーーーその姿を二頭の魔獣と化した。
黒い体毛に身を包み、細い指と鋭く尖った長い爪、太くて長い尻尾、山羊のように前へ伸びた頭、グルリと曲がった角。それ即ちーーー悪魔。
前のめりに立つ四足の足、強靭な力を発動する筋肉、全てを握り砕く爪、どんな障害物をも振り払う尻尾、全身を覆う雪崩れる鱗、羽ばたけば空の支配者にもなれる大きな翼、前へ伸びた口から生えた無数の牙、頭からまっすぐ伸びた角。それ即ちーーー竜。
【グルゥゥゥゥゥアァァァァァァァ!!!!!】
【ガルルルルルルルゥゥアァァァァァ!!!!!】
今この戦場に、全てを威圧させる悪魔の雄叫びと、全てを轟かせる竜の咆哮が響いたーーー
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