第46話二頭の魔獣
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使用するには、MPが消費する。斬り込み、防がれ、火の玉を浴び、回復。この状態が続けばいずれ加野達のMPが底を尽き、前線で戦っているキリトとライリュウが殺られてしまうーーー
「もういいよ二人とも!殺られたらまた何時間か飛べば済む事じゃない!もう諦めようよ!!」
《アルヴヘイム・オンライン》はゲームオーバーになったら数分後、自分の種族の領地の蘇生ポイントで蘇る事が出来る。何度でもやり直す事が出来る。だから、この戦いは諦めよう。だが、その答えはーーー
『嫌だ・・・!!』
「え・・・?」
答えはNO。その理由はーーー
「俺が生きている間は、パーティメンバーを殺させやしない・・・それだけは絶対に嫌だ!!」
「それ以前にオレ達は目の前の戦いを捨てるなんて事するような腰抜けじゃねえんだ。この戦いで勝とうが死のうが・・・一度向き合ったら逃げねぇ!!目の前の戦いから背を向けねぇ!!」
彼らのこの世界ーーー仮想世界に懸けている物が、リーファのような甘い考えが出来る物ではないからだろう。リーファは知らないのだ、彼らの人生の内の二年間を。
キリトとライリュウは、《ソードアート・オンライン》の中にいた。そこはゲーム内での死が現実世界での本当の死に繋がる世界だった。蘇生の手段はあるアイテムを除いたら他に存在しない、やり直しは出来ない。キリトは素性を隠して加入していた《月夜の黒猫団》というギルドを結果的に死なせ、五つの十字架を背負った。ライリュウは狂人と化した集団に友を殺され、命の重さを身をもって知った。キリトとライリュウの違いは、本当はライリュウの友が生きていたという事だけだがーーーこの気持ちは、『仲間を絶対に死なせない』という信念だけはーーーどこの世界でも変わりはしない。
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
炎が消え、キリトとライリュウは雄叫びを挙げタンク達に向かって突っ走る。彼らの手はタンク達の盾を掴み、強引に突破しようと隙間を開ける。
「クソッ・・・なんなんだコイツら!?」
「しかも片方・・・スゲー馬鹿力だ!!」
彼らの戦いは、自分の信念を貫き通すために、あのデスゲームで培ってきた力。どんなに強固な盾も、壁も、全てを打ち砕く。たかが六つの大きな盾では防ぐ事などーーー出来はしない。
「チャンスは今しかありません!」
「チャンス・・・?」
後衛に立つリーファ達の所で、父親の戦いを分析する《ナビゲーション・ピクシー》の娘。彼女の口から発せられた言葉に耳を傾けるリーファ達。そのチャンスを活かす方法とはーーー
「残りのマナを全部使って、次の魔法攻撃をどうにか防いでください!」
「で、でも、そんな事したって・・・」
残りの|魔
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