機動戦艦ナデシコ
1337話
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BETAとか言いましたかな。その宇宙生物を相手にどうやって対抗を? そのくらいの技術力しかないのであれば……」
「いえ、何十年とBETAと戦い続けているだけに、ある程度の蓄積はありますよ。ほら、これを見て下さい」
エザリアが見せた映像は戦術機のもの。
それを見たグリューノは見せ掛けだけではなく、本当の意味で驚いた表情を浮かべている。
「何と……人型機動兵器を……」
「勿論この時代の技術力で開発されたものですから、他の世界の人型機動兵器と比べれば性能は大分落ちます。それをフォローする意味も含めて、異世界間貿易を行っている国からマブラヴ世界に特例として兵器の輸出を許可していますので」
「……つまり、私達の世界もシャドウミラーと協定を結べば異世界の兵器を輸入出来ると考えてよろしいのですかな?」
「いえ、無理でしょうね」
「ほう。マブラヴ世界とやらには兵器を輸出してもいいのに、何故私達の世界は駄目だと?」
グリューノも断られるというのは理解していたのだろう。だが、それでもこういう風に聞いてきたという事は、兵器の輸入に結構乗り気だと示しているというところか。
エザリアは俺の方に一瞬視線を向け、俺はそれに頷く。
問題はないから、思う存分やれをいう意思を込めて。
ここで迂闊に思わせぶりな事を言ってしまえば、それを承諾の返事として取られかねない。
そうなると、後日この件で揉める事になる可能性が高く、だからこそそうならないように、シャドウミラーの態度をここで明確にしておく必要がある。
「マブラヴ世界では先程も言ったようにユーラシア大陸の殆どがBETAに占拠されていました」
……このされていましたって過去形なのが特徴だよな。
実際、今はユーラシア大陸に存在しているハイヴの多くを奪い返す事に成功しているのだから。
「ですが、このナデシコ世界では……」
「待ってくれ。その、ナデシコ世界というのは私達の世界の呼び名かな?」
グリューノの言葉が意外だったのだろう。エザリアは少しだけ驚きながらも、頷く。
「ええ。シャドウミラーではこの世界の名称をナデシコ世界としています」
「それは、誰の許可を得て付けた名前なのかな?」
「許可? 別にこれは私達がこの世界を便宜的に名付けただけであり、許可を得る必要はないと思いますが」
「……それでは、こちらでこの世界の名前を決めれば、それに従って貰えると?」
「そちらで自分達独自の名前を付けたいのであれば、それはそれで構わないのではないでしょうか? それをこちらが使うとも限りませんが」
「それは少し横暴では? その意見はシャドウミラー全体としてのものと考えても?」
エザリアではなく、俺の方へと視線を向けて尋ねてくるグリューノの言葉に頷きを返す。
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