第五話 私の存在意義
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攻勢ね!!いいわ、燃えてきたわ!!」
足柄が目を輝かせた。
「駄目よ、まずは偵察からだと鳳翔さんがおっしゃっていたでしょう。落ち着きなさい。」
妙高がたしなめた。
「わかっているわよ。もう・・・せっかく気分が盛り上がったのに。それで、まずはどうするの?」
「まず高速艦を主体とする偵察部隊を派遣し、敵の動向と根拠地発見に全力を注ぎます。佐世保鎮守府も同じく偵察部隊を派遣することとなっています。それに伴って佐世保鎮守府近海まで護衛艦隊を派遣して、警戒に当たらせます。提督からのオーダー表は・・・・。」
鳳翔が紙片を取り上げた。
「以下敬称を略させていただきますが、偵察艦隊の旗艦は長良。航空巡洋艦利根、筑摩。そして第6駆逐隊の暁、響、雷、電。護衛艦隊は旗艦ビスマルク、プリンツ・オイゲン、霧島、天津風、雪風、夕立で編成します。」
各艦娘はうなずいた。
「一方佐世保鎮守府からは、軽巡川内を旗艦とする水雷戦隊が出撃します。護衛艦隊は戦艦扶桑、山城に航空巡洋艦最上、三隈、重巡洋艦古鷹、軽空母飛鷹です。」
ですが、と鳳翔は付け加えた。
「敵の前線がはっきりしないこと、また敵がどれほど制空権を有しているか不明なことから、別働空母部隊を編成し、万が一に備えたいと思います。」
「別働隊を?」
「別働空母部隊として、日向、足柄、私、そして紀伊を投入します。」
日向の眉が跳ね上がった。
「留守部隊の統括は赤城さんにお任せします。」
赤城はうなずいた。
「補佐に加賀さん、伊勢さん、榛名さんと妙高さんをお願いします。」
「わかりました。」
「異論がある。」
日向が発言した。
「この作戦は偵察とはいえ反抗作戦の初動として重要なものだ。にもかかわらず先日配属されたばかりの新人を投入するとはどういうことか?」
「彼女の能力は戦艦、空母、両方にまたがるものです。強力な主武装は敵戦艦との交戦において、その艦載機保有能力は敵との制空戦において大きな威力を発揮するはずです。もう一つ付け加えれば、彼女は第七艦隊に配属されて早々、敵のヲ級とヌ級を撃沈しています。それも瑞鶴さんが重傷を負って艦隊の戦列が乱れてからの事です。」
「この目で見ていない以上、話だけ聞いても、な。」
「ちょっと日向さぁ。」
伊勢がたしなめた。
「普段あんたに色々言われているからあまり大きなこと言えないけれど、自分が優秀だからって人を落とすのはやめなよ。」
日向はむっとした色を見せた。
「でも、日向さんの言うことも一理あります。いくら性能が高くてもいざというときに足手まといになれば、全軍に影響が出ます。」
「加賀さん!」
赤城がたしなめた。
「もちろん。」
鳳翔が口を開いたので、4人は口を閉ざした。
「もちろん、紀伊さんが艦隊の足を引っ張るようでしたら、即刻帰投させます。
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