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造られた神
4部分:第四章
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「死んだのだから」
 次にこのことが確かめ合わされることになった。神が死んだことにより彼等が苦しめられることはなくなった、このことが確かめられたのだ。
「もうこれでな」
「そうか」
 人々はこのことを確信すると安堵の息を出した。そしてそのうえで言うのだった。
「よかった。これで昔のような生活に戻れる」
「しかしだ」
 だがここで。一人がその神だった存在の頭を見て言ってきた。その機械の頭を。
「神も。こうして壊れてしまえばただの機械だな」
「ああ、そうだな」
「機械に過ぎない」
 人々はその壊れた機械を見てまた言い合った。
「こうなってしまえばな」
「本当にそれだけだな」
「最初からそうだったのかもな」
 次に出た言葉はこれであった。
「我々が造った機械だからな」
「そうだな。我々が造った」
「ただの機械だった」
 皆神の正体に気付いたのだった。神とは一体何であったのか。気付いたというよりは思い出したと言った方がよいかもしれないことだった。
「それが今こうやって壊れて」
「ガラクタになった」
 壊れた機械はガラクタでしかない。そういうことだった。
「それだけのことだったんだな」
「ああ、本当にな」
 そして誰もが言うのだった。
「それだけのことだったんだ」
 こうして神はいなくなった。機械で造られた神はただのガラクタになって終わった。後はゴミとして捨てられスクラップとなってからは誰も知らない。それで何もかもが終わったのだった。災厄の記憶だけを残して。神のもたらした災厄を。


造られた神   完


                  2009・4・8

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