第三部
名誉と誇り
にじゅうよん
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
の問題ないが……。
チラリと視界に彼女を納めれば、不思議そうに首を傾げている。
まあいいと、彼女から視線を切って、私は再度思考の海へと沈んでいく。
それであるならば、スタインが皇国と繋がり、何か画策していると考えてしまうのは少々穿ち過ぎな考えなのかもしれない。
事はもっと単純な話なのか?
いくら私が頭を悩ませたところで、情報が少なすぎるのだ。
更に言えば、私は一介の冒険者の上、前世ではただのサラリーマンだったのだ。政治のことなと大雑把には理解できるが、政治家の考えていことなど分かるわけもない。
それも、わかるといっても民主主義や社会主義、共産主義の中でも、比較的現代に近しい政治形態であり封建制などの旧体制など門外漢である。
「一時期、スタイン子爵はご両親を謀殺したのではないかと、噂が立ったこともあります。結果的に、それは彼の立場や人望に嫉妬した、利権にあぶれた者達の言い掛かりだと分かりましたが……」
苦労してるな、総隊長。
「当然中央もそれを聞き入れることはありませんでした」
「人望もあり、腕も立つ。まさに超人だな」
「はい。剣の腕ならば王国内でも3本の指に入ると言われていました。“閃光”という二つ名持ちでもありましたし、神速の突きは誰にも止められない、とも」
突きなんて繰り出してないぞ、アイツ。
「……不思議そうな雰囲気を出してますけど、本当のことですからね」
「私は何も言っていないが」
エリステインは深く溜息をついて、半眼で私を睨む。
よくまあこんなガタイの良い、鬼面マスクの人外相手に堂々とできるものだ。
「なんだか、あなたの事が少しだけ分かった気がします」
貴様の言い方に、私はとっても不服だ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ