第三部
名誉と誇り
にじゅうよん
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の中で嘆息する。
「? どうしたんですか?」
「いや……。そう言えば前に、スタインに対して何か思うようなことがあるみたいだったが」
流石にもう、知らぬ存ぜぬを通すのは不可能だ。
「いえ、私の考えすぎということもありますし……」
「いまは少しでも情報が欲しい。何か知っているなら話してみろ」
無理強いするつもりはないが、私が気になっていると言うことだけは理解してもらえるようにそう伝える。
エリステインは顎にてを当てて、考える仕草をすると、「そうですね……」と呟き、顔を上げる。
「分かりました。噂程度のモノなので、役に立つかどうかはわかりませんが」
私は縦に首を振り、それでも構わないと了承する。
参考程度なものであるし、そこから何か掴めれば儲けもの位の考えだ。
「そうですね……。では、順を追ってお話させていただきます」
そう前置きし、彼女から聞かされたことに、私は頭を抱えたくなった。
どうやら、ことはそう単純なものでもないらしい。
曰く、スタイン子爵は近年、軍備の強化にかなり私財を投じていたらしい。
かなり曖昧な噂程度の話ではあるが、人の口に戸は建てられない。相当数の商人を呼び込み、かなりの資金を落としているのは事実であった。
また、ここ最近になって王都を拠点としていた数ある傭兵団の動きが活発化しており、宗教国家であるプロメス皇国へ渡りをつけていることが確認されていた。
そしてどうやら、スタインはこのプロメス皇国の人間との接触を頻繁に行っていたとのことだ。
献金も行っており、それなりの支援も受けていたようである。
しかし、プロメス皇国の国教でもあるプロメス教はこの大陸のほとんどの者が信者であり、エリステインも漏れずにその1人であるとのことだ。
当然スタインもプロメス教であり、もちろん、この国の中央の人間もプロメス教を信仰している。また、個人的に皇国から司祭等を招くことはそう珍しくもないとのことだ。
3年前に両親を流行り病で亡くしているということも含め、その対応ではないかと疑いすらしておらず、噂を含めて聴衆を行ったらしいが、そういった造反の動きは見られなかった、というのが中央の見解だったようだ。
そこまで聞いて、私は頭を抱える。
大丈夫か、この国。
他国との繋がりという下りだけでも厄介であるのに、一番厄介な宗教が出てきてしまったのだ。それも、その宗主国が怪しいときた。
いまここで、全てを是として判断することはできないが、これは最悪を考慮して行動していかないと停滞しっぺ返しを食らうことになりかねない。
では、何故エリステインの命が狙われていたのかと聞けば、流石にそこまでは分からないらしい。
スタインの好意には気付い
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