2部分:第二章
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第二章
「私は御前達を治める」
「はい」
「そして」
彼はさらに言うのだった。その精巧であるがあくまで機械のものであるその口で。人ではなく神としての言葉を発するのだった。
「私達を導こう」
こうして彼は神となった。神は人々のありとあらゆることを律していった。彼は法律となり信仰となった。人々はありとあらゆることに関して彼の言葉に従いそのうえで生きていった。誰もがこれまでとは全く違う生活にまずは満足していた。
「神がおられるようになってから」
「何もかもが楽になったな」
「考える必要がなくなった」
何をするにあたっても神の言葉を聞いていればそれでよくなったからだ。確かにそれは極めて楽なことであった。考えずに済むのだから。
「しかも間違いはない」
「そうだ、神は間違いを犯されない」
信仰のもとでの言葉であった。
「その間違いを犯さない神の下で生きていける」
「何という喜びだ」
人々はそれで満足していた。神は確かに優れた統治を行い人々は全てにおいて満ち足りるようになった。神がいなかった頃とは全く違うようになっていた。そうした社会が続いていたある日のことだった。
神は言った。いつものように。
「子供を皆私に仕えさせる」
こう言ったのだ。
「そして私を崇めさせるのだ」
「それは素晴らしい」
「それでは是非」
皆この言葉にも笑顔で従った。こうして人々は皆子供達を神に捧げた。しかしここで誰もが思いも寄らなかったことが起こったのだった。
子供達は神の下で皆一つの屋根で生きることになった。親から引き離されて。子供を愛する親達はこのことに戸惑いを見せたのだ。
「子供達と離れて暮らすのは」
「まだ幼いというのに」
こう言って自分達の子供を神に引き渡すことを渋る親も出て来た。しかし神はそういった親達に対して厳しい声で言うのだった。
「それは許されない」
こう言ったのであった。
「子供は私に仕えさせる。全ての子供達は」
神の考えは変わらなかった。
「だからだ。それはならん」
こうしてそういった親達からも次々と引き離され子供達は神の下に集められ一つの大きな白い家で生きることになった。親は彼等と出会うことはできず子供達は神を親として生きるようになった。もっと言えば神を絶対者として生きるようになったのである。
親達は子供に会えないことを嘆き悲しむようになった。そうしてある親が言った。
「子供に会いたい」
子を思う気持ちとして当然であった。
「子供に会いたい」
「また一緒に暮らしたい」
そう思う親達は増えていった。しかし神はそうした親達に対して言うのだった。
「諦めよ」
こう。
「私は神だ」
そして次にはこの言葉を告げた。
「神に逆らうことは許されない。子供達に
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