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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第97話
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。それに父もさすがに宣戦布告もせずに他国の領を猟兵達に襲撃させて領主夫妻に危害を加えさせた挙句領主の子女を誘拐するなどの卑劣な行為は帝国貴族として許せなかったのだろう。…………最もメンフィル帝国軍による帝都襲撃並びにバルヘイム宮爆撃、後はカレル離宮で近衛兵達を虐殺した事による貴族連合―――いや、エレボニア帝国に対する”報復”についてはどう思っているか知らないが。」

「あ…………」

アンゼリカの説明を聞いたリィンは辛そうな表情をし

「……君達に聞きたい。エレボニア帝国とメンフィル帝国の外交関係は今どうなっているんだい?それに何故リフィア皇女殿下の親衛隊の副長を務めているシグルーン中将閣下が君達と共に行動しているんだい?」

アンゼリカは真剣な表情でリィン達を見回して尋ね、リィン達は様々な事情を説明した。


「……そうか。そんな事になっていたのか。メンフィル帝国と戦争状態に陥る事は予想していたが、まさかクロスベルまで関わってくるなんてね……」

事情を全て聞き終えて重々しい様子を纏っていたアンゼリカは疲れた表情で溜息を吐いた。

「正直俺達も何とか状況を変えようと思ってその場で意見を何度も口にしたのですが…………」

「”貴族連合”がメンフィル帝国に対して行った数々の卑劣にして愚かな行為に加えて、最初の襲撃の後から約2週間も猶予を与えて頂いたにも関わらずエレボニア帝国はメンフィル帝国の”当然の要求”に一切応えなかったどころか、謝罪や説明すらもしなかったというメンフィル帝国に対する”負い目”がある為、殿下達でも状況を変える事はできませんでした……」

リィンとラウラは複雑そうな表情で答えた。



「まあ幾らオリヴァルト皇子殿下達でも無理だよ。メンフィル帝国は当然の事を言っているだけで、全ての非はエレボニア帝国にあるのだから。第一相手はあのレン君だからね……彼女の傍にいる私も彼女の凄さも十分理解しているつもりだ。何せあの年齢で僅かな時間で親父殿を説得して、軟禁の身となりかけていた私を連れ出す事ができたくらいだし、交渉の際も多くの大人達とも渡り合えるくらいだからね……」

「……ま、あたしは”殲滅天使”より”微笑みの剣妃”の方がそう言う事については”上”だと思っているわ。」

複雑そうな表情で呟いたアンゼリカに続くようにサラ教官は真剣な表情で呟き

「”六銃士”の一人である”微笑みの剣妃”ルイーネ・サーキュリー。リウイ陛下達と旧知の間柄であるヴァイスハイト殿の話によりますと元々あの方は祖国では内政と外交を一手に引き受け、更に策略を巡らせて”敵国”と対抗していたとの事ですわ。」

「ええっ!?」

「ど、道理で論争に強いはずですわね……」

「下手をすればあのオズボーン宰相をも上回るのではな
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