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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第96話
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ない……デタラメだわ。それに24Fってラインフォルト家の居住スペースじゃない……!」

「イリーナ会長を軟禁した上その軟禁した人物の”家”を堂々と使うとは……余りにも卑劣で愚かな行為ですわね。」

リィンとゲルドに尋ねられたアリサは怒りの表情で本社ビルを睨み、シグルーンは不愉快そうな表情をしていた。



「特別実習の際、わたくし達が泊まったアリサさんの実家ですわよね?」

「ログナーというからには彼も四大名門なのだろうが……どうやら会長のおられぬ間にやりたい放題やっているようだ。」

「にしても、部外者が勝手に他人の家に寛いでるなんてねぇ。」

セレーネは複雑そうな表情をし、ラウラは眉を顰め、サラ教官は呆れた表情で溜息を吐いた。

「はあ……文字通り大切なものを土足で踏みにじられた気分だわ。とにかく今は、本社ビルには近寄れないわね。」

「ああ、他の場所で聞きこみをするとしよう。」

その後情報収集を再開したリィン達だったがアンゼリカとイリーナ会長の行方は掴めなかった。



〜市内〜



「……ダメだわ。母様もアンゼリカさんも、まったく行方がわからない。この街も完全に貴族連合に支配されているみたいだし……」

「ある程度状況はわかったけど手詰まりになってしまったな。どこかに手がかりがあればいいんだが。」

今後の方針にリィン達が考えているとアリサのARCUSが鳴り始めた。



「あら、私のARCUSが……」

「カレイジャスから……ってわけじゃなさそうだな。さすがに通信範囲外だろうし。」

「ええ……ちょっと出て見る。もしもし……?」

通信相手を若干警戒しながらアリサは通信を開始した。



「もしもし、アリサ?私よ。ユーナよ。元気にしていた?」

「ユーナ……?久しぶりじゃない!そっちこそ元気にしていたの?」

「ふふ、おかげさまでね。アリサ、突然だけど今から”ドヴァンス食堂”に来てくれない?とても大事な話があるの。」

「……大事な話?というか、どうして私がルーレに戻ってるって知ってるのよ……!?」

「ふふ、ちょっと事情があってね。それじゃあ待ってるわね。また後で。」

「ちょっ――――ユーナ!?」

一方的に通信を切られた事に驚いたアリサは声を上げた。



「切れちゃった……」

「確かアリサさんの友達でしたっけ?」

「ええ、何だか私達に大切な話があるらしくて。西口にある”ドヴァンス食堂”に来て欲しいみたいなの。」

「……ちょっと気になるな。よし、確かめに行ってみるか。」

その後リィン達は通信相手に指定された食堂に向かった。
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