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第一章
造られた神
人々は進化した。その文明は最早何でもできるかのようだった。
人々はその文明を使い思うがままのことをできるようになっていた。それこそ時間を飛び越えることも無から有を作り出すことも。まさに思うがままだった。
しかし一つだけ不安なことがあった。自分達は何もかもできるようになった。しかし。その彼等を導くべき絶対の存在がいなかったのだ。
「神がいない」
誰かが言った。
「神がいないのだ」
「神がか」
「そうだ、神がいないではないか」
こうした言葉が出て来たのであった。
「我等は何でもできるようになった」
「うむ、確かにな」
「それはな」
このことは他ならぬ彼等が最もよくわかっていた。確かに彼等の文明は何でもできるようになった。できないことはないとさえ思える程であった。
しかし。その神がいないことに気付いたのだ。自分達が崇め絶対と信じそれと共に導いてくれる神がだ。その神がいないことに気付いたのである。
「それではどうする?」
「神がいないとなると」
人々はあらためて考えだした。神がいないのならどうするべきかと。ここでその何もかもできる文明のことから一つの案が出されたのであった。
「造ろう」
これであった。
「神を造ろうではないか」
「神を造るだと?」
「そうだ。造るのだ」
この案が出されたのである。
「我々でな」
「神を造るというのか」
「何、簡単だ」
最初に言った者がまた言った。
「機械で造る」
「機械でか」
「そうだ、我々の文明をもってすれば容易いことだ」
こういう話になるのだった。
「機械でな。これでどうだ」
「そうだな」
「悪くないな」
周りは彼のその言葉に頷く。皆それで賛成だった。
「では造ろう」
話はすぐに実行の段階に移った。既にアンドロイドの類が造られてきていたので機械の神を造ることなぞ造作もないことだった。人格までインプットされ頭脳はこの時代で最高の、しかも進化する機能まで備え付けられたコンピューターが使われた。人の形をしているがあえて人との区別化をはかりその外見は機械そのものであった。こうしてその機械造りの神が誕生したのである。
「私は誰だ」
「神です」
人々は彼をこう呼びその前に跪いた。
「貴方は神です」
「神なのか」
「そう、神です」
「神・・・・・・」
神と聞いて彼は最初何かわからなかった。しかし既にインプットされていることを思い出してこうしたことを言い出したのだった。
「神は人の上に立つもの」
「その通りです」
「御前達は人」
その跪く彼等を見て言った。
「そして私は神」
「はい、ですから」
「私は御前達の上に立つ」
まずはこう言ったの
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