機動戦艦ナデシコ
1336話
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ったが、俺に対して小さく首を横に振る。
「お前は自分自身が強いからそういう意識はないのだろうが、普通であれば一国の代表ともあれば相応の護衛を引き連れているものだ。純粋に身を守るという意味もあるが、何よりそうする事によって己の権威を示すという目的もある。自分はこれだけの力を持っているのだ、と目の前に見せつける感じでな」
「なるほど、そういう意味では確かに俺は権威の類は足りないかもしれないな。……けど、それがどうした? それは俺が権威がなくても平気だという事の裏返しだろう? 寧ろ、それで向こうがこっちを侮ってくれるのなら、こっちとしては好都合だ。……メギロートを連れて行く訳にもいかないしな」
相手を威圧するという意味では、メギロートやシャドウを引き連れて行くというのはいいかもしれないが、基本的にPTサイズである以上は会談をする場所に連れて行く訳にはいかない……というか、物理的に入らないんだよな。
いや、扉に入らないだけであれば、それこそ空間倉庫を使って……という手段がない訳でもないんだが。
そういう意味では、木星蜥蜴が使っているバッタってのはメギロートに比べて小型で、こういう時に護衛として使いやすそうなんだよな。
「ふんっ、連合軍や連合政府の奴等も、自分達と俺達の実力差ってのは分かってる筈だ。もし妙な真似をしたら、思う存分後悔させてやる」
「イザーク、あまり無茶をしないでね」
「……ああ」
オウカとイザークの仲は結構順調なようだ。
「相手を威圧するって意味なら、いっそ混沌精霊としての姿で向かうのもいいんじゃないか? その方が、向こうは絶対に驚くし」
「ムウ、その場合は驚くんじゃなくて、一気に敵対する事になるだけなんだけど」
ムウの台詞にナタルが突っ込む。
こっちもこっちで色々と上手くいってるらしい。
「ま、ムウのお仕置きはナタルに任せてだ。じゃあ、行ってくるか」
「おい、ちょっと待て! 俺を見捨てるつもりか!?」
「知るか。自分の罪は自分で償え」
「罪って……アクセルに言われたくないんだけどな」
何故かムウの言葉に、その場にいた全員が頷く。
あやかと千鶴まで頷いている辺り、俺ってそんなに罪深いか?
……いや、罪深いな。
今まで自分がやってきた事を考えれば、罪深くないと言う方が色々と無茶だろう。
「とにかく行くか。向こうもそろそろこっちを待ってるだろうし、あまり待たせると機嫌が悪くなるだろうし」
「あ、誤魔化したな」
そんなムウの言葉が聞こえてくるが、それは意図的に聞き流して会談に出発するメンバーに向かって口を開く。
「さて、じゃあ行くか。まずないだろうが、向こうが妙な真似をして来るという可能性は否定しきれない。それをくれぐれも忘れずにな」
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