3章〜金の道、銀の道〜 異伝〜遥かなる記憶 第2話〜
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…ったく、だったら尚更、今のうちに休んどけばいいやん。今からでも、朝飯まで寝といた方がええんとちゃうか?」
「………ケビン………冷たい………」
「へ………?」
自分の言葉を聞いて寂しそうな表情をしたルフィナを見たケビンは呆けた。
「お姉ちゃんが最後の一時を一緒に過ごそうとしているのに邪魔者あつかいするだなんて………ううっ………育て方間違えちゃったかしら。」
「じゃ、邪魔なんて一言も言うてへんやろ!?それに世話にはなったけど育てられた覚えはないし!」
「………ケビン、素直じゃない。本当は姉さまと話せて嬉しいくせに。」
寂しそうな表情で語るルフィナにケビンが慌てて言っている所をリースは静かな口調で呟いた。
「なっ………!?」
そしてリースの言葉を聞いたケビンは驚き
「あらあら、ほんと?そっかぁ………うふふ、男の子だもんね。つい照れ隠しに素っ気なくしちゃうのか〜。」
「反抗期まっさいちゅう。」
ルフィナは喜んだ後ケビンをからかい、リースも続いた。
「ぐっ………このマイペース姉妹が………最初っから最後までいたいけな少年の心をもてあそびやがって………」
2人にからかわれた事に気付いたケビンは唸った後、ふてくされた表情をした。
「ふふ………あれから5年になるのか。そうだ、列車に乗る前に街でチョコレートを買おうかな。もちろん、クインシー・ベルのね。」
「あ………」
懐かしそうな表情で語ったルフィナのある言葉にケビンはアルジェント姉妹との出会いを思い出した。
「………今だと新作のミントチョコがおすすめ。コクがあるのにあと味がスッキリしてていい仕事してる。」
「ふふ、それも美味しそうだけどやっぱり定番のミルクチョコレートかな。私達の想い出の味だしね。」
そしてリースの助言に微笑んだルフィナはケビンに優しい微笑みを向けた。
「お、想い出の味って………」
「……………………ケビン、やらしい。」
ルフィナの言葉を聞いたケビンは顔を赤らめ、その様子をリースは表情をわずかに不機嫌そうにした後、ジト目でケビンを見つめて呟いた。
「な、なんでやねん!?」
リースの言葉を聞いたケビンは慌てた表情で叫んだ。
「ふふっ………私達みんなの想い出の味よ。あれから色々あってケビンがここの子になって毎日みんなで一緒に過ごして………ここで過ごした想い出は私のかけがえのない宝物だわ。」
「姉さま………」
「ルフィナ姉さん…………………だったら何で騎士なんかになったんや。どう考えても姉さんに似合ってるとは思えへんのに………普通のシスターやったらここから街の礼拝堂にだってじゅうぶん通えたハズやろ………それに姉さん、たまたま街に
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