第15話
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私のことは”影の王”とでも呼ぶがいい。」
「影の………王。」
「フン、リウイの”闇王”に対抗しているつもりか?」
「だったら、不相応もいいところだね。」
仮面の人物――影の王の名をリースは呟いた後考え込み、リフィアとエヴリーヌは不愉快そうな表情をした。
「はは、その名の由来は聖典には存在していない筈。そうであろう?リース・アルジェント。そしてリフィア・イリーナ・マーシルン。お前は未だにその名を名乗り続けているのか?」
「!………私のことまで………」
「まさか余の名に疑問を思う輩が出てくる日が来るとは思わなかったな………一体それはどういう意味だ?」
自分の事まで知っている影の王をリースは警戒した表情で睨み、その一方リフィアは目を細めて影の王を睨んで尋ねた。
「簡単な事だ。名の由来となった者が蘇ったというのに未だに”その名”を名乗っているからだ。」
「!貴様、なぜそこまで知っている………!余の名の真の意味を知っているのは一部の者達を除いて、我等マーシルン家のみだぞ………!」
そして影の王の次の言葉を聞いて魔力を全身に纏わせて睨んだ。
「フン、よっぽど念入りに探りを入れてたみたいやな。」
2人の様子を見たケビンは油断なく武器を構えて影の王を睨んだ。
「………挨拶はそのくらいにしてもらおう。”影の王”と言ったな…………もし貴様が、この状況を引き起こした黒幕ならば………即刻、王都を元に戻してもらおう!さもなくばこの場で斬る!」
「フフ、そなたの要求はあまりに空しく意味がない。敬愛の心も度を過ぎれば真実を捉える妨げとなろう。解るかな?ユリア・シュバルツ。」
「な、なに………!?」
「やはり……そういう事でしたか。僕達が先ほどまでいたグランセルは全て偽物……いや、”影の国”の中に再現された模造物ですね?」
影の王の言葉にユリアが戸惑っている中、ヨシュアは納得した様子で説明をして尋ねた。
「な………!」
「え………!」
「そんなことって………」
「街まるごと偽物って………そんなこと、できるの?」
ヨシュアの言葉を聞いたユリア、ツーヤ、リース、エヴリーヌは信じられない表情をした。そしてケビンが続くように説明をして、ヨシュアに確認した。
「………しかし、それで一通りのことが説明できる。漆黒の大門に無人の街角………昔に巻き戻った部屋に構造すら変化している遺跡………そうやな、ヨシュア君?」
「ええ、その通りです。」
「クク………やれやれ、そなたは優等生すぎる。もう少し可愛気があった方が私としては楽しめるのだがな。」
「あなたの娯楽に興味はない。………興味があるのはエステルとミントの安否だけだ。」
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