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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第92話
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「フィー……」

フィーが呟いた言葉を聞いたリィンがフィーを見つめているとフィーは再び眠りに落ちた。

「すう……」

(半分寝ぼけているみたいだな。俺を”団長”に重ねたのか……?……俺達Z組は、確かにもうフィーの”家族”も同然だ。でも、”団の代わり”にはなれないんだぞ……?)

真剣な表情でフィーを見つめて考え込んでいたリィンだったがフィーの寝顔を見て、考える事を止めた。

(起きたら忘れていそうだし、聞かなかった事にしておくか。)

そしてリィンはフィーをベッドに寝かせて毛布と布団をかけた。



「すう………すう…………」

(これでよし。集合時間が近づいたらまた声をかけてやるとしよう。)

部屋を後にして宿酒場を出て街の徘徊に戻ったリィンは出入り口付近にいるエマを見つけて話しかけた。



〜市内〜



「委員長、もしかして町の外に出るつもりなのか?」

「あ、リィンさん………はい、ちょっと北西の様子を見に行こうかと。」

「北西と言うと……もしかしてルナリア自然公園か?前に来た時、あの場所には上位属性の気配があったが。」

「ええ、セリーヌからも同じ事を聞いていまして。魔女として、一度様子を見に行った方がいいと思ったんです。ふふ、どうか心配なさらず。この辺りの魔獣なら一人でもなんとかなるでしょうし、いざとなればヴァレフォルさんもいます。」

「(ルナリア自然公園か……俺もついていったほうがいいか?)委員長、よかったら俺にも付き合わせてくれないか?あの公園があれからどうなったのか、この目で見ておきたい気がするし。」

「リィンさん……ふふ、ありがとうございます。では一緒に向かいましょうか。」

リィンはそのままエマと一緒に街道に出て、異変のあったルナリア自然公園へと向かった。



〜ルナリア自然公園〜



「……確かに、何かが乱れてしまっているようですね。旧校舎と同じく、上位属性の気配も感じます。」

自然公園の出入り口に到着したエマはその場で集中し、自分が感じた気配を呟いた。

「公園の周囲までは影響が広がっていないのは幸いだが。もしかしてここにも、ローエングリン城のように”幻獣”が……?」

「いえ、今の所そこまでの強い霊気は感じません。上位属性が働いているのも、この公園の一帯だけみたいですし……霊脈に近い場所ですから、帝国全土で起きている乱れや歪みに呼応しているだけだと思います。これ以上影響が拡大しないとは言い切れませんが……」

「委員長?」

公園をジッと見つめて考え込んでいるエマが気になったリィンは不思議そうな表情をした。



「いえ、何とか鎮められないか……やれるだけやってみようと思います。少し、
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