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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第90話
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ゲルドに微笑んだ後ある事が気になって尋ねた。
「……私もその可能性を考えて何度か試した事はあるのだけど、私自身に関してはまるで霧がかかったように”何も見えない”の……」
「そうか…………ゲルドは辛くないか?名前と年齢以外何もわからない事に。」
ゲルドの答えを聞いたリィンは辛そうな表情で尋ねた。
「辛くないと言えば嘘になるけど、今の私には貴方達――――多くの友達がいるから平気よ。リィン達の為にも、もっと頑張るつもりよ。」
「……前々から思っていたけど、ゲルドは優しいな。」
「え…………どうしてそう思うの?」
リィンの言葉を聞いたゲルドは目を丸くした後不思議そうな表情で尋ねた。
「記憶喪失なんて事になったら、普通は自分の事で手一杯のはずなのにゲルドはいつも自分の事より俺達の事を気遣っているじゃないか。」
「……そうなの?」
「(ハハ、自覚していないのか……)……さっきの件もまさにそうだと思うぞ?ケルディックの人々の為に領主であるプリネさんに何とか接触する方法を必死で考えていたようだし。」
不思議そうな表情で首を傾げているゲルドの様子を苦笑しながら見つめていたリィンは答えた。
「それはこの街に住む人々に傷ついて欲しくないから……」
「ほら、今も失った記憶を思い出す努力をするよりも真っ先に他の人達―――それもゲルドにとっては赤の他人であるケルディックの人々を心配しているじゃないか。そう言う所が”優しい”って言ってるんだ。」
ゲルドが答えるとリィンは苦笑しながら指摘し
「あ……………………」
指摘されたゲルドは呆けた様子で声を出した。
(ふふふ、いつも如く無意識で始めましたね。)
(うふふ♪その娘も落とすのね♪)
(クスクス、もしゲルドの記憶が戻った際、彼女に恋人がいれば大変な事になるでしょうね。)
(リ、リィン様……後何人落とせば気が済むのですか……?)
(……クロウ・アームブラストの情報にあったマスターの固有スキル―――――『女殺し』の発動を確認。…………相変わらず不埒な方です。)
二人の様子をリザイラ達が微笑ましそうに見守っている中、メサイアは疲れた表情をし、静かな表情で呟いたアルティナはジト目になった。
「………フフ、どういたしまして。それじゃあ私は集合時間になるまでは街を見て回るわね。」
少しの間固まっていたゲルドは我に返るとリィンに微笑んだ。
「ああ。」
そしてリィンはゲルドと別れて街の徘徊に戻り
「……………………リィンに『優しい』って言われた時から感じ続けているこの苦しくも暖かい気持ちは一体何なの…………?」
自分から去って行くリィンの背中を見つめていたゲ
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