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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第89話
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〜1時間後・メンフィル帝国軍・ケルディック地方・双龍橋方面国境防衛地点〜
「こ、これは……!?」
アハツェンの車体の上に乗っているクレイグ中将は周囲の惨状を見て目を見開き
「りょ、領邦軍が……」
「ぜ、全員殺されている……!」
「まさかメンフィル軍によって殲滅されたのか……!?」
戦車兵達は驚きの表情で声を上げた。
「―――正規軍を率いている者は貴方と見受けられますが。貴方が双龍橋を占領した正規軍の”将”ですか?」
するとその時飛竜に騎乗したサフィナが上空から飛竜と共にクレイグ中将の前に着地した。
「なっ!?竜に乗った騎士だと!?」
「ま、まさかあれが噂に聞くメンフィルの”
竜騎士
(
ドラゴンナイト
)
”か!?」
サフィナの登場に戦車兵達は驚き
「いかにも。私は帝国軍・第四機甲師団司令、オーラフ・クレイグ中将。貴女は?」
クレイグ中将は落ち着いた様子で自己紹介をした後サフィナを見つめた。
「―――メンフィル帝国領ケルディック地方の臨時領主の一人にして、メンフィル帝国軍竜騎士軍団団長、サフィナ・L・マーシルン元帥。トールズ士官学院では我が義娘達――――ツーヤとセレーネ、そして我が妹であるプリネが貴方のご子息にはいつもお世話になっています。」
「何と……!貴女がルクセンベール卿達の御母上でしたか……!こちらこそ、愚息がいつもお世話になっております。……それでこの惨状は一体どういう事でございますか?」
サフィナの言葉を聞いて驚いたクレイグ中将は会釈をした後、真剣な表情でサフィナに問いかけた。
「領邦軍はメンフィルの許可なく強引にメンフィル帝国領であるケルディック地方を突破しようとしました。よって我らはケルディックの民達を護る為にケルディックに危害を加える可能性が非常に高い領邦軍を殲滅しました。……何か問題がありますか?」
「……いえ、ありませぬ。我らの不手際により貴国にお手間を掛けさせてしまった事、お許しください。せめてもの償いに、貴国が殲滅した領邦軍の死体等の処理は我ら正規軍に任せて頂けないでしょうか?」
サフィナの説明を聞いたクレイグ中将は目を伏せて答えた後頭を下げた。
「わかりました。その申し出、ありがたく受けさせて頂きます。それと既に連絡は受けていると思いますが正規軍のケルディックの通過やケルディック市内での補給の許可は降りていますので、通過もしくはケルディック市内での補給をしたい時は兵達に言って頂ければお通しします。――――ただし、ケルディックの民達に危害を加えた際はその場で拘束し、厳重に抗議させて頂きます。末端の兵士達にも民達に危害を加えない事を必ず心掛けさせて下さい。」
「寛大なお心遣い感謝致
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