第二章
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「さて、どうしたものか」
「それならね」
「それなら?」
「一旦服屋さんに言ってね」
奥さんはご主人に提案しました。
「相談してみたらどうかしら」
「買い換えるかそうしないか」
「どうするかね」
「そうだね、服は服屋さんだね」
「そうでしょ、だからね」
「まずは服屋さんに行く」
「そうしたらどうかしら」
「よし、それじゃあね」
フィッシャーさんは奥さんの提案に頷きました、そしてでした。
その日のお仕事にはです、レインコートを持って行ってです。その帰りに服屋さんに寄ってそのうえで、でした。
服屋の親父であるウシガエルのブライアントさんにです、レインコートを差し出してから言うのでした。
「実は考えているんだ」
「どういったお考えですか?」
「レインコートを買い換えるかどうか」
ブライアントさんにも言うのでした。
「そのことでね」
「ああ、そういうことですね」
「うん、どうしたものかな」
「そういえばこのレインコートは」
ブライアントさんはレインコートをまじまじと見ながら言いました。
「古いマッキントッシュですね」
「そうだよね」
「何十年も来てます?」
「僕が結婚した時からだからね」
「それだけにですね」
「古いことは確かだよ」
実際に何十年も着ているというのです。
「事実ね」
「そうですね」
「買い換えるべきかな」
「フィッシャーさんこのレインコートに愛着がありますよね」
ここでブライアントさんはフィッシャーさんご自身に尋ねました。
「そうですよね」
「あっ、わかるかな」
「買い換えるって言われた時に」
まさにその時にというのです。
「凄く残念そうですから」
「だからなんだ」
「はい、物凄く愛着があるって」
「わかったんだ」
「買い換えることについてですね」
「だから迷っているんだ」
レインコートに愛着があるが故にというのです。
「凄くね」
「そうですよね」
「けれど何十年も着ていて」
「かなり古くなっていて」
「だからね」
「買い換えるべきかもって思っておられますね」
「そうなんだよ」
悩んで困っているお顔での言葉です。
「どうしたものかな」
「そうですね、フィッシャーさんが愛着があるならです」
「買い換えるべきかな」
「このお店は仕立てもしてますよ」
ここでこう言ったブライアントさんでした。
「ですから」
「仕立ても?」
「はい、ですから」
「このコートをかい」
「仕立てなおされてはどうでしょうか」
これが仕立て屋さんとしてのブライアントさんの提案でした。
「ここは」
「そうだね」
その提案を受けてです、ブライアントさんは。
少し考えてからです、こう言いました。
「それでお金は」
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