第6話 ファーストライブ
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「こら穂乃果、ワンテンポ遅れてるぞ」
「はい!」
「海未!そこのステップちょっと早い!ことり!もっと大きく」
「「はいっ!!」」
「はい!ラスト〜っ!びしっと決めろ〜!」
俺は手拍子をしながらビシビシと彼女たちの悪いところを指摘していく。
終盤。ここはしっかり決めないと素晴らしいパフォーマンスが水の泡になってしまう。だから俺はここの決めは念入りに何度も指導している
穂乃果を中心に海未、ことりが真ん中に手を揃え、自分達の思いが空高く届けというイメージを作り出すポーズがこのライブの決めポーズ。
決まった........だけど、一瞬。ほんの一瞬だけ、穂乃果が遅れた。
「よし!これでどう?完璧だった?」
穂乃果はガッツポーズをして上手く行ったよとでも言いたげな表情をする。
「残念だったな穂乃果。一瞬だけ遅れたぞ。」
「そんなぁ〜」
穂乃果はペタんと地面に座り込み汗をぬぐう。海未もことりも立ってはいるものの息を荒くしている。最初から最後まで笑顔で踊り続けることは決して楽なことではない。それは俺が1番よくわかってるつもりだ。
「どんな時も始めと終わりが肝心なんだ。中身はある程度形になってはいるけどまだまだ君たちの動きにキレがない。柔軟がなってないから無駄な動きも生じるんだ。よし!5分休憩。そのあとは筋トレとストレッチをすること」
「「「はいっ!ありがとうございました!」」」
俺は彼女たちから少し離れ階段を見下ろしながらペットボトルに口をつける。なぜ俺がこんなコーチ地味たことをしているかだって?
それ昨日の放課後に遡る........
「ねぇ海未ちゃん」
「なんでしょうか」
「作詞も作曲も衣装も振り付けも準備できた。でも.....誰がそれを指導するの?」
「........」
ただ純粋に疑問に思った穂乃果に対し、しまったそれは考えていなかった、とでも言いたげな顔をする海未。それを見てあたふたすることり。
俺はただそれを見てやっぱり忘れてたのか...と予想が的中してしまったことに対してショックを受ける。俺は忘れてて彼女たちに言わなかっただけじゃない。できればその点に関しては海未がなんとかしてくれるだろうと心のどこかでそう思っていたのだ。だがしかし現実はそううまくはいかず、やっぱり海未も教えることはできないのだろう。別に素人目で判断するだけでもいいと思うんだけどな......
実は俺、笹倉大地は中学までダンス部に所属し、全国大会まで出場した経歴を持つ。まぁ...全国大会っていっても優勝どころか初戦敗退するようなグループだったけど。それでも
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