第6話 ファーストライブ
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
理解してやっと口をポカンと開ける穂乃果。目を見開く海未。ポカンと口を開ける穂乃果を見ることり。彼女たちは今は何を思っているのだろうか。
悔しかった
こんな状況になってしまったことが悔しかった
彼女たちの想いが通じなかったことが悔しかった
そしてなにより
何もできなかった俺自身が悔しかった
「はは..........」
静寂を破ったのは穂乃果の空虚な笑い
「穂乃果.....」 「穂乃果ちゃん......」
穂乃果を不安げに見つめる
「そりゃ......そう...だ」
「世の中....そんなに甘くない!」
穂乃果は笑った。でもいつもの太陽のような笑顔ではなく。無理に出した作り笑いだった
そしてその笑顔は崩れ目に涙が溜まり、顔がくしゃくしゃへと変化する。
その顔を見た2人はつられて涙目になり始める
見ていられなかった。いやダメだ!俺は彼女を最後まで見届ける責任がある!ならば俺がすべき事は1つだけ
「穂乃果...海未....ことり...」
気がつけば俺も涙を流していた。それを拭き取り笑顔で告げる
「なにしてんだよ....ライブ....見せてくれよ.....今日まで頑張った成果を俺に...ヒデコさん、フミコさん、ミカさんに君達のダンスを見せてくれよ」
こんなことしかできなかった。
「確かに、こうして見てくれる人を集められなかった。アイドルやって学校をなんとかしたいという思いを...君達はみんなに伝えられなかったのかもしれない。もしかしたら、絢瀬会長の言う通りだったのかもしれない。思いつきでやったって何も止められない変えられない。ただの自己満足だったのかもしれない....」
「大くん......」
俺は悔しくて悔しくて思わずに手に力が入る。爪が肉に食い込むのをお構いなく、血が流れても痛くはない。
穂乃果の方が
海未の方が
ことりの方が
ずっと、ずっと痛いに決まってるから。
「だけど!!ここで諦めようとするんじゃねぇ!!ここで諦めたらお前達は何の為に毎日頑張ってきたのかわからなくなる!!穂乃果!!」
「は、はい!?」
いきなり呼ばれて戸惑う穂乃果だが、俺は無視して続ける。
「お前は!!アイドルをやって.....何がしたかったんだ!!何の為に海未やことりと一緒にアイドルをしたんだ!!」
「ほ、穂乃果は....」
「海未!!」
「はいっ!」
次に海未。
「どうして穂乃果とアイドルをしようと決めたんだ!1番アイドルするのを嫌ってたお前が!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ