暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
鉄色の刃と紅色の狂喜
零節:【魔刃】
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メージでも喰らったのか、不自然な位置で硬直した……瞬間、身体から青い光が迸って、“蒼い無数の破片”と化し虚空へ()()()()()()しまった。


「は…………!?」


 間抜けすぎる表情を男は浮かべている。
 目の前で起きた現象を、信じられないとでも言いたげに。

 しかし驚愕したのは僅かな間。
 すぐに頭を左右へ振り、遠くを見やって歩き出す。


 その光景を―――


「あ、あのモンスターをたった五回の攻撃で……!?」
「ソードスキルも使って無かったよ!?」


 ――――見ず知らずの他者に見られていた事に、彼は気が付いていたのだろうか。
 色違いの菱形をまたも頭上に浮かべる者達の存在を、彼は視界に留めていたのだろうか。

 ……その見ず知らずの他者たちは、他ならぬ彼自身がどれだけ『奇妙』なのか、気が付いているのだろうか。

 其れは、誰にも分からない。





 そしてこれが―――これが後に起こる、余りに奇怪な幾つもの事件の、全ての置ける『始まり』なのだと……知る事など到底叶わなかった。


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