6部分:第六章
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第六章
「私は。そうしてだ」
「そうしてか」
「そのうえで動物園をやっていたのか」
「新たな生物を創り出す」
男は言う。その狂気を思わせる目で。
「それは神の為すことだな」
「聖書によるとね」
「そうなっていることだな」
「そう、私は神になるのだ」
狂気はだ。顔全体に及んでいた。何かに取り憑かれた様な顔と大袈裟な手振りでだ。男は二人に対して話していくのだった。
「新たな生物を生み出してだ」
「カップル達を捕まえて」
「新しい生物にしていた」
「その通りだ。ここはその神の世界だ」
彼は言った。
「その神の世界に入った君達はだ。侵してはならない世界を侵したのだ」
「それでか。裁くと」
「そう言うつもりか」
「如何にも。覚悟してもらおう」
手にあるものを出してきた。それは。
銃だった。それをアラガルに向ける。
「ここで死んでもらう」
「お決まりだね」
アラガルはその自分に向けられた銃を見て話す。
「こうした状況ではね」
「ではここは」
「僕達もお決まりの展開をするとしよう」
二人は同時に言った。そしてだ。
瞬時にだった。懐から銃を取り出した。一瞬だった。
男を撃った。射撃は彼等の方がだ。遥かに速かった。
「こっちはこれが仕事だからね」
「そうそう簡単には」
遅れを取らない。そういうことだった。6
「じゃあここは」
「うん、まずはこいつを捕まえて」
アラガルは趙虎のその言葉に頷いて述べた。
「それから。じっくりとね」
「取調べをしますか」
「それと」
そしてであった。アラガルはここでさらに言った。その言うことは。
「彼等だけれど」
「カップル達ですね」
「何とかしないとね」
こう言うのだった。真剣な面持ちでだ。
「彼等は。絶対に助けないと」
「そうですね。それはですね」
「絶対に助けないといけないよ」
「はい、その通りです」
二人はだ。そのことは一致していた。
彼等にとってもだ。何の落ち度もないカップル達がこのままだというのは許容できなかった。これは人間としての考えである。
だが今はだ。取調べであった。まずは男を捕まえた。
そのうえで動物園を適当な口実をつけて閉鎖してだ。徹底的に捜査をはじめた。その結果であった。驚くべきことがわかったのだった。
そのことをだ。二人でドトールに話す。話す場所はドトールの執務室だ。
そこで話を聞いてだ。ドトールは言うのだった。
「まずはだ」
「はい、まずは」
「まずはですか」
「被害者達が助かったのはよかった」
そのことがだ。最初に話されるのだった。
「本当にな」
「はい、遺伝子や細胞を元に戻して」
「そのうえで、でしたが」
「あの男の研究が役に立ったな」
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