第9話 何から始める?
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輩はどんな方なのか。三人のやりとりを見ていると高坂先輩が騒ぎ出すのを園田先輩が止めて、南先輩がその二人の仲介に入る。
とてもバランスの取れた三人組だなぁと、差し出されたお茶と穂むら饅頭を頬張りながら思う。
「そ、園田....海未と、申します」
「初めまして園田先輩。多分高坂先輩から名前くらいは伺っていると思いますが、高橋春人といいます」
さっきの高坂先輩を注意するときの顔や声と違い、真っ赤にしながらキョロキョロと視線を彷徨わせ、途切れ途切れの言葉をどこかに飛ばす。
直感的に『花陽ちゃんみたいだ』と思った。
「は、早く本題を始めてください。時間がもったいないです」
「そうですね。高坂先輩....どうして”スクールアイドル”を始めようと思ったんですか?」
「それは”可愛いから”なんだよはるとくん!!」
「可愛いから...ですか?」
高坂先輩はなんの迷いも無く断言する。
らしいと言えばらしいけど.....廃校という大問題を抱えているのに呑気な理由でスクールアイドルを始めてもいいのかな?
それに他の二人...特に園田先輩が軽はずみな行動を許すはずがない。
「....高坂先輩、流石にそんな理由で始めるのはどうなのでしょうか。事と次第によっては音ノ木坂に大きな影響を与えるのでは?」
「でも私もあの子達みたいにキラキラできたら...歌やダンスで見てもらえるようになれたら生徒がたくさん集まるんじゃないいかな!って思ったんだよ!!それに、海未ちゃんとことりちゃんも協力してくれるって言うし、やらないわけにはいかないんだよ〜!」
え?
僕は園田先輩に視線を向ける。
「な、なんですか?」
「いえ...その、どうしてかなぁと思いまして」
なんていうか、意外なのだ。園田先輩がこういった人前で歌を歌ったり踊ったりすることに興味が無いようなイメージを持っているため、高坂先輩と一緒にスクールアイドルをするなんてことが。行動を起こすには少しばかり急ぎ過ぎじゃないかな。
「ところで───」
先程南先輩やら高坂先輩やらのせいで見事に紅潮した頬を覚ますようにか両手で顔を扇ぎながら、話題転換をする。
「スクールアイドル......は知ってるんですけど、やっぱりどこかでライブとかするんですか?その、服とか曲とかはどうなるのかなぁ〜って」
「それは勿論だよ!衣装はことりちゃんが準備してくれるし、歌詞も海未ちゃんが───」
「私はやりません」
「そんなぁ!!」
頑なに園田先輩は否定し、ぷいっとそっぽを向く。
「やってやってやってよぉ〜!」とジタバタ我侭しても園田先輩は頬を少し染めて無視をする。
なんていうか....少し意外
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