機動戦艦ナデシコ
1335話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
還したと言われても信じられない……いや、信じたくないと思っても不思議ではない。
だがホワイトスターからの通信によると、それは紛れもない事実だ。
それどころか、木星蜥蜴の機体をなるべく破壊しないようにして鹵獲しながらの戦闘でそれなのだから、もし本気でシャドウミラーが木星蜥蜴と戦っていれば……さて、何割がこっちの手に落ちていたのやら。
『その件は連合軍や連合政府には知らせない方が……いや、どのみち分かる以上、ここは寧ろ知らせた方がいいか? ……アクセル、その件を連合軍や連合政府に報告しても?』
「ああ、構わない。向こうも自分達の許可がない状態で俺達が火星を占拠しようとしているというのを聞けば、色々と手を打たざるを得ないだろうし」
それがどんな手かは分からないけどな。妙手か悪手か……さて、どう出る?
ボールは向こうにある以上、次に行動を起こすのは向こうだ。
『取りあえず、僕もそうだけど連合軍や連合政府が君達を過小評価していたのは認めるよ』
「ふふっ。アクセル君の戦闘を見て、その上でまだその力を甘く見積もるというのは、少し楽観視し過ぎではないかしら」
千鶴の口から笑みと共にそんな言葉が出る。
けど、笑みを浮かべているからといって、それが喜んでいたりするのかと言えば答えは否な訳で。
『はっ、はは。……そうだね、そうさせて貰うよ』
いつも軽い様子で話しているアカツキだったが、今の千鶴を見た瞬間に額に汗を浮かべてそう話す。
千鶴って時々妙なプレッシャーを放つからな。
魔力とか気とかじゃない、どんな力か不明の力。
何気にあのプレッシャーを研究すれば、魔力でも気でもない第3の力が発見されるんじゃないだろうか。
それはそれで面白そうな気もするが……
「アクセル君?」
「いや、何も思ってないぞ。ただ、アカツキがしっかりと仕事をしてくれないと困ると思っただけで」
『ちょっ、ア、アクセル!? 君、僕を見捨てるつもりかい!?』
「別に俺はアカツキの味方になったつもりはないしな」
『ほ、ほら! アクセルも僕も、名前は『あ』から始まるだろ!』
「……それが?」
いや、本気でそれがどうしたって話なんだが。
名前が同じ文字から始まるから助けろと言われても、それだと俺は『あ』で始まる奴全員を助けなきゃいけなくなる。
そもそも、地球の連中のポカを何で俺が助ける必要がある? 向こうのミスは向こうでツケを支払うべきだろう。
既に俺達の戦闘力がどれ程のものかは見せた。それを見せた上でこっちを甘くみているのだとすれば、それは向こうに責任がある。
「ほら、千鶴。あまりアクセル君を困らせないの」
映像越しにアカツキへと凄む千鶴に、美砂が言葉を挟む。
「あらあら、私ったらそんなつ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ