機動戦艦ナデシコ
1335話
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といった風な機動兵器を使った戦闘というのは、自分達が体験してきただけあって性能は圧倒的に違っていても、まだ何とか理解出来る範疇ではあった。
だがこの世界の住人は生身での戦闘は殆ど行われない。
正確には行われないって事はないんだろうが、それでも銃の類がメインだろう。
そこにこれでもかと魔法やアーティファクトを使用している光景を見れば、自分達が全く知らないだけに未知に対する興味を惹かれた……もしくは恐怖を抱いた、か。
実際問題、俺の場合は生身で連合軍や連合政府のお偉いさんの家に忍び込んで暗殺しようと思えば不可能じゃない。
影のゲートを使えば全く問題なく移動出来るし、それ以外にも気配遮断のスキルもあるしな。
いや、機械とかの目は誤魔化す事は出来ないから、そう考えれば影のゲート一択か?
「ま、向こうが会談を希望してきた理由はどうあれ、こっちとしてはやるべき事をやるだけだしな」
「そうですわね。そもそも、連合軍や連合政府との会談や交渉をしている間も火星におけるシャドウミラーの勢力圏は広まっているのですから」
あやかの言う通り、俺達がこうしている間にも火星ではシャドウミラーの実働班が木星蜥蜴の攻略を進めている。
元々シャドウミラーが火星を実効支配する事は交渉前に既に決まっていた……決めていた事なので、事後承諾という形になるのだろう。
アカツキ自身は口にしないが、恐らくその辺の事情も関わっているのは間違いないと思われる。
意外と、ネルガルの研究所の地下にあったチューリップもどきの件を報告したとかいうのもあるかもな。
それらの事と併せて、円とイザークの戦闘がいい切っ掛けになった、と。
『現在、具体的にどのくらいの場所を奪還しているのか、聞いてもいいかな? ネルガルは火星と縁が深くてね。どうしてもその辺は気になるんだよ』
その言葉に、あやかの視線は俺の方へと向けられる。
まぁ、この件は特に隠す必要もないだろうし……寧ろ正直に俺達が火星をどのくらい自分の勢力圏にしているのかというのを明確に示す事で、向こうに軽い焦りを生じさせる事も出来るだろう。
「2割、といったところですわ」
『……この短期間で2割? えっと、僕の聞き間違いかな? 雪広さんだったね、君のような美しい人の声、それこそ美声と呼ぶに相応しい声を僕が聞き間違うとは非常に残念ですが……』
「まぁ、おほほほ。美しいだなんて、そんな。……2割ですわ」
笑みを浮かべつつも2割というのは否定しないあやかに、アカツキは薄らと額に汗を滲ませる。
どうやらアカツキが予想していたよりも随分と事の進み具合が早いらしい。
まぁ、俺達がこのサツキミドリ2号の近くに転移してきてからまだ10日も経っていないのだから、それで火星の2割を木星蜥蜴から奪
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