第十三話。デート・ア・キリカ
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き入る。
「音央ちゃんが、理亜さんに会って話をするって出て行ってしまったんです!」
「音央が理亜と?」
そういえば。
『や、やめて、理亜ちゃん! 見せしめなら、ロアであるあたしがなるから??』
『元々あたしはいない存在だもの。こういう時は、ハーフロアのあんたたちより、あたしがそういう目に遇うべきだと思うの』
今朝の戦いの時、彼女はそんなことを言っていたのを俺は聞いていた。
『音央ちゃん、今日は寝ないでずっと悩んでいたみたいで……私に『ごめん』って言うとどっか行っちゃって、連絡しても出てくれなくて……!』
「あの、馬鹿……っ!」
何一人で思いつめてるんだ!
何一人で悩んでんだ!
何で誰かに相談しない!
何で俺は気付かなかった!
ちきしょう……間に合え!
「解った、鳴央ちゃん。俺は思い当たる場所をすぐに探してみる!」
『は、はいっ、私も探してみますっ??』
「ああ、必ず見つけて、文句言ってやろうなっ!」
『は、はいっ!』
電話越しから聞こえてくる鳴央ちゃんの声は可哀想なくらい動揺していた。
その気持ちは俺にも解る。いつも一緒に生活していた妹的な存在。
それは、一之江にせよ、俺にせよ、鳴央ちゃんにせよ、大切でかけがえのないものだからだ。
「じゃあ、後でまた連絡し合おう! 取り敢えず音央の母校。十二宮中学に行ってみるよ!」
『了解しました、ではまた後でっ』
鳴央ちゃんとの通話を切って。
俺はすぐに家から飛びだそうとした、が。
『どこ行くの? お兄ちゃん?』
『行かせないよ?』
『お兄ちゃんは私だけ、見てればいいの……』
何処からか聞こえてくるその声に眉を顰めていると。
ばふぅ!
突然、背後から誰かに抱きつかれた。
この感触。この甘いキャラメルの匂いは……?
「……かなめ、か?」
「正解だよ、お兄ちゃん。合理的に妹ハグしてぇー?」
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