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101番目の舶ィ語
第十三話。デート・ア・キリカ
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ね!」

キリカが笑いながらそんなことを言うがそんなに可笑しいか?

……笑いのツボに入ることを言ってる自覚はないのだが。
まあ、いいや。
そのおかげでキリカの姿を見なくて済むのだからな。
それにヒステリアモードも解けてきたし。
なあに、振り向かないことと不運になら定評のある俺だ。
きっと、死んでも振り向かないと決め込めば、振り向かない自信ならあるからな。

「あれ、振り向かないんだ?」

「ああ、不運に定評があるからな」

「なぁんだ残念〜、実はバスタオル一枚なのに……」

「やっぱりかー」

「なーんてね、冗談。そんなことしないから、振り向いても平気だよ?」

「なあ、キリカ」

「何かな、キンジ君?」

「えーと……ちゃんと服は着てるよな?」

「わっ、そんな心配してたんだ?? んもぅ、キンジ君ってばエッチなんだから」

「ち、違う。経験上、着てないことがあったから……」

前世では不運のオンパレードだったからな。特に神奈川武偵中時代は酷かった。

「あはは! ちゃんとバスローブ着てるから大丈夫だよ」

「バスローブ、か……」

安心……できるのかな、それ。
ヒステリアモード的にはアウトじゃないか?

「ふはーっ!」

ボスーッ、とベッドに背中からダイブしたキリカは寝転がると、すぐに体を起こした。

「ねえ、キンジ君っ」

「何かな?」

「すっごい回復してるんだけど。キンジ君、私のこと考えまくってくれた?」

「それはそうだよ。安心してくれ、キリカ。俺はいつも君のことを考えてる。
君のことしか考えてないから」

残っていたヒステリア性の血流を絞り出すようにしながら、俺はキリカに告げる。

「俺がいつも見てるのは君だ。君だけだ!」

だから安心していい、そんな台詞を言った……ような気がした。
気がした……というのはこの後のことはよく覚えていないからだ。

「……ん、ん、うんにゃ?」

(……寝ちまったのか? キリカは大丈夫……って、あれ?)
気付いた時には俺は自分の部屋のベッドに寝ていた。
そして……。
混乱する間もなく。

ピピピピピピピピッ!

携帯電話の着信で目が覚めた。
どうやらヒステリアモードを酷使したことで脳神経にかなり負担をかけていたらしい。
一眠りしたことで大分スッキリした!
……っと、電話に出ないとな。

「もしもし?」

『あ、よかった。繋がった……』

「鳴央ちゃん?」

「た、大変なんです! 音央ちゃんがっ!」

「音央が?」

鳴央ちゃんの声は落ち着かず、早口になっていた。その喋り方はかなり余裕がなかった。
その只ならぬ雰囲気に、俺も否応なしに真剣に聞
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