第十三話。デート・ア・キリカ
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ね!」
キリカが笑いながらそんなことを言うがそんなに可笑しいか?
……笑いのツボに入ることを言ってる自覚はないのだが。
まあ、いいや。
そのおかげでキリカの姿を見なくて済むのだからな。
それにヒステリアモードも解けてきたし。
なあに、振り向かないことと不運になら定評のある俺だ。
きっと、死んでも振り向かないと決め込めば、振り向かない自信ならあるからな。
「あれ、振り向かないんだ?」
「ああ、不運に定評があるからな」
「なぁんだ残念〜、実はバスタオル一枚なのに……」
「やっぱりかー」
「なーんてね、冗談。そんなことしないから、振り向いても平気だよ?」
「なあ、キリカ」
「何かな、キンジ君?」
「えーと……ちゃんと服は着てるよな?」
「わっ、そんな心配してたんだ?? んもぅ、キンジ君ってばエッチなんだから」
「ち、違う。経験上、着てないことがあったから……」
前世では不運のオンパレードだったからな。特に神奈川武偵中時代は酷かった。
「あはは! ちゃんとバスローブ着てるから大丈夫だよ」
「バスローブ、か……」
安心……できるのかな、それ。
ヒステリアモード的にはアウトじゃないか?
「ふはーっ!」
ボスーッ、とベッドに背中からダイブしたキリカは寝転がると、すぐに体を起こした。
「ねえ、キンジ君っ」
「何かな?」
「すっごい回復してるんだけど。キンジ君、私のこと考えまくってくれた?」
「それはそうだよ。安心してくれ、キリカ。俺はいつも君のことを考えてる。
君のことしか考えてないから」
残っていたヒステリア性の血流を絞り出すようにしながら、俺はキリカに告げる。
「俺がいつも見てるのは君だ。君だけだ!」
だから安心していい、そんな台詞を言った……ような気がした。
気がした……というのはこの後のことはよく覚えていないからだ。
「……ん、ん、うんにゃ?」
(……寝ちまったのか? キリカは大丈夫……って、あれ?)
気付いた時には俺は自分の部屋のベッドに寝ていた。
そして……。
混乱する間もなく。
ピピピピピピピピッ!
携帯電話の着信で目が覚めた。
どうやらヒステリアモードを酷使したことで脳神経にかなり負担をかけていたらしい。
一眠りしたことで大分スッキリした!
……っと、電話に出ないとな。
「もしもし?」
『あ、よかった。繋がった……』
「鳴央ちゃん?」
「た、大変なんです! 音央ちゃんがっ!」
「音央が?」
鳴央ちゃんの声は落ち着かず、早口になっていた。その喋り方はかなり余裕がなかった。
その只ならぬ雰囲気に、俺も否応なしに真剣に聞
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