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カップルの失踪
2部分:第二章
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第二章

「如何にもって感じですね」
「あれかな。やっぱり」
「サイコ殺人ですかね」
「それかな。ひょっとして」
「可能性は高いですね」
 こうだ。趙虎もアラガルに話す。
「やっぱり」
「さて、その失踪したカップル達だけれど」
 アラガルはその彼等の話をはじめた。
「一つ共通点があるね」
「ええ。デート中に失踪していますね」
 これがだ。問題点であった。だからこそドトールも気付いたのだ。若いカップルがデート中に百人単位で失踪しているからだ。
「サルバド星系の第一惑星であるサルバドで」
「そうだね。そこでね」
「場所が限られています」
「話はそこで収まるかな」
 アラガルは腕を組んで考える顔になって述べた。
「これは」
「ですかね。少なくともですね」
「実行犯はそこにいる」
「はい、サルバドで」
「それは間違いないね」
「では今から行きましょう」
 そのサルバドにというのだった。かくして二人は首都であるグアテマラ星系からだ。サルバド星系に移った。そしてそこでも安いホテルを借りて入ってだ。そこを拠点として捜査にあたるのだった。
 彼等はここではまず街に出た。そこでだ。
 失踪者達についてだ。色々調べた。その結果わかったことはだ。
「何か。カップルの経歴とかはまちまちですね」
「職業とか生い立ちはね」
「人種もですね」
 そうしたものはだ。雑多であった。
「何の共通点もありませんね」
「誰もね」
「学者だったり。アルバイトだったり」
「看護士もいればスポーツ選手もいるね」
「本当に雑多です」
「デートをしてることだけだね。共通点は」
 若いカップルということ以外にはだ。それだけしかなかった。それでだった。
 ここでだ。アラガルが言った。
「じゃあそのデートコースを調べようか」
「それをですね」
「一つ。共通点があれば」  
 穏やかな形のその目の光が変わった。鋭くだ。
 そしてそのうえでだ。こう趙虎に言うのであった。
「そこを調べよう」
「はい、それでは」
「そこに誰かいるかだね」
 口調は穏やかだ。しかしであった。
 その目に見ているものは厳しかった。険しいものを見てだ。そのうえで二人でその街中を歩いてだ。捜査を行っているのだった。
 二人はその三百人以上、百五十組を超えるカップルのデートコースを調べた。わかっている限りでだ。これは地元の警察の捜査や家族の言葉、それに目撃例を全て合わせてだ。実際に歩き回ったり部屋で資料を調べ整合させていった。地道で膨大な捜査であった。
 そしてその結果だ。一つの場所が注目された。
「ここだね」
「はい、ここですね」
 二人はだ。ある場所を指し示した。地図にあるそこは。
 動物園だった。ただし普通の動物園ではない。

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