暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 23 「守るべきもの」
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でも持っていくくらいだろう。

「じゃあパパも一緒に行こう」

 と言って、今度はヴィヴィオがフェイトの手を引く形で俺に近づいて手を握ってきた。俺やフェイトは19歳とはいえ、体格的にはすでに大人。それだけにヴィヴィオを挟む形で手を繋ぎあっている今の構図は誤解が生まれてしまっても何らおかしくないだろう。
 俺とフェイトが昔から付き合いがあるというのは知っている人は知っているし、何よりフェイトの髪色が金色というのが不味い。そこがヴィヴィオが娘なのではないかという誤解を生んでしまう。
 しかし、ヴィヴィオの心境を考えるとなのはがいない不安を埋めようとしているとも考えられる。それに六課はヴィヴィオの現在に至るまでの経緯を知っているので誤解するものはほぼいないだろう。
 今日の分の仕事は終わっているし、個人的に任されているものもファラやセイが協力してくれたので慌てる状況ではない。しばらくはヴィヴィオに付き合うことしよう。

「分かった、一緒に行く。だからさっさと戻るぞ、ここは風が強いからな」
「うん。ねぇフェイトママ、今日はパパとフェイトママと一緒に寝たい」

 別にヴィヴィオはやましい考えなどは一切なく、ただ純粋に安心感を覚えて寝れるからそう言っただけなのだろう。きっと俺はなのはの代わりなのだ。つまり普段なのははママではなくパパをやっていることに……。
 なんてことを考えてどうにか冷静さを保てているが、一般的に考えて年頃の男女が一緒の部屋で寝るのは不味い。ヴィヴィオが居るのでふたりっきりというわけではないが……ある意味ではヴィヴィオが居るから不味いとも言える。

「えっと……あのねヴィヴィオ、さすがにパパと一緒は無理かな」
「なんで?」
「それは……その」

 あのなフェイト、顔を赤らめながら俺の方を見るんじゃない。お前が考えているようなことをするつもりは一切ないし、一緒に寝れない理由なんて色々と思いつくだろう。例えば夜遅くまで仕事があるから、とか。

「ヴィヴィオ、悪いけど一緒には寝てやれない」
「うぅ……なんで?」
「俺にもやらないといけないことがあるし……例えばお菓子作りとかな。ヴィヴィオが当分食べなくていいって言うなら話は別だけど」

 適当にでっちあげたように思えるかもしれないが、実際のところ六課に来てからはお菓子は基本的に夜に作っているのだから嘘ではない。そもそも早朝からフォワード達の特訓があり、休憩を挟んでまた特訓。これに加えてデバイス関連のこともやらなければならないのだから当然と言えるだろう。
 ヴィヴィオの表情を見る限り、かなり考えているように思える。俺と一緒に寝たいという気持ちもあるのだろうが、子供なだけにお菓子を食べたいという想いも負けないほど強いらしい。あ
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