第五十三話 野村大佐!将棋は実は種類が多い!!その六
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「もうあの地がホークスの本拠地だったことを知る者は少ないがな」
「ですね、もう」
「南海ホークスも昔ですから」
「あぶさんでも九州時代の方が長いですしね」
「そっちは二十数年ありますよ」
昭和四十八年から連載がはじまっている、この年南海ホークスとして最後に優勝している。監督は野村克也であり何と西本幸雄さんが阪急ブレーブスの監督だった。
「あの頃のあぶさんも味がありました」
「近鉄とか阪急とか懐かしいですね」
「太平洋クラブライオンズとか初期の日本ハムとか出てて」
「エモやんが南海にいたんですよ」
このことを知っている人も少なくなっているらしい。
「その思い出の地中百舌鳥へ」
「行ってきます」
「ではな」
悪田部は二人を言葉で背中を押した、そして。
瞬もだ、西郷になんばパークスの南海ホークス記念館において告げられていた。
「今回の勝負の場は中百舌鳥でごわす」
「南海ホークスですね」
「近鉄、阪急は西本幸雄さんだったでごわすが」
「南海は鶴岡一人さんですね」
「そうでごわす」
この偉大な監督の志があるというのだ。
「あの方のお心を胸に置き」
「そのうえで、ですね」
「戦って来るでごわす」
「はい」
確かな声でだ、瞬は西郷に答えた。
「それでは」
「今回は将棋でごわす」
「泰将棋ですね」
「この将棋は普通の将棋と違うでごわす」
「盤が非常に広くですね」
瞬も言う。
「そして」
「駒も多いごわす」
「だからですね」
「そのことを頭に入れてでごわす」
そうしてというのだ。
「勝負するでごわす」
「それでは」
「今回は野村猛男大佐でごわす」
「日帝衆一の将棋の達人ですね」
「将棋世界大会十連覇、羽生名人以上の冠を抱いた者でごわす」
いつものチート設定炸裂である。
「その野村大佐とでごわす」
「二人で、ですね」
「行って来るでごわす」
「それでは」
瞬も敬礼して応えた、そしてだった。
その瞬にだ、山本と東郷がホークスの話をしてきた。
「大将、見るのだ」
「彼がホークス史上最高のエースだ」
背番号二十一、ややサイド下気味のアンダースローで投げている。顔は眼鏡が実によく似合う紳士的な美男子だ。
「杉浦忠」
「三十八勝四敗の実績を残した」
「シリーズ四連投四連勝」
「その実績を残している」
「偉大な方ですね」
まさにとだ、瞬も二人の言葉に頷いて応えた。
「南海を日本一にしてくれましたね」
「そうだ、その右腕でだ」
「あの人類永遠の敵巨人を倒したのだ」
昭和三十四年日本シリーズにおいてだ。
「その実力は稲尾和久に匹敵した」
「ストレートはノビがありカーブとシュートが凄かった」
特にカーブがよかったらしい。シュートが一番得意
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