46.黒竜討伐戦隊
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「でもぉ……せっかくファミリアをズル休みしてまで会いに来たのにぃ!アキくんはこんな黒のっぽと私のどっちが大事なの!?」
「お前と言う奴は………あぁもう、手ぇ繋いでやるから我慢しろっ」
「ほんと!?アキくん大好きだよっ!!」
リージュは手を握るだけでは足りないとばかりにオーネストに抱き着いて胸元に顔を埋め、ぷはっと顔を出してエヘヘっと可愛らしくはにかんだ。
何だろう、上手く言葉に出来ないが今までになかったタイプの人間だ。オーネストも素でリアクションに困っている。オーネスト三大意外な顔に登録してもいい顔だ。
……ちなみに他の二つは「ヘファイストスにお風呂へドナドナされるときの諦観が混じった顔」と、「いつの間にか寄りかかって寝ていたヘスティアの前髪を優しくなでるときの顔」だ。なお、年季の入ったオーネストファンによると、ユグーとの死闘の最中に見せた顔が一番強烈だったらしい。写真があったら見たいものであるが、残念なことにない。絵心のある奴が再現を試みたが、どうしても実物の迫力を再現できずに筆を投げたそうだ。
閑話休題。
オーネストとリージュさんの振りまくカオスな空気に触れるのを諦めた俺は、他の連中に事情聴取をすることを決めた。
= =
時は遡り――1週間ほど前。キャロライン・エトランゼという女の物語に遡る。
キャロラインという女は、『混血の里』と呼ばれる隠れ里出身の人間だ。
『混血の里』という場所は、嘗てまだ他種族と交わることが一般的ではなかった時代に生まれたとされる里だ。今でこそハーフエルフなど混血も他の人間と同じように暮らしているが、嘗ては些細な差異や親との違いを理由に混血児は激しい迫害を受けていた。そんな行き場を亡くした混血児たちが当てもなく彷徨った末に同じ苦しみを背負った者同士で作り上げたのが『混血の里』という場所………と、噂されている。
『混血の里』は、いわばお伽話やホラ話の類として扱われる物の一種で、実在するかどうかも怪しまれている場所だ。混血児が珍しい物ではなくなった現代では、仮に存在したとしても最早時代に遅れた古臭い里という程度の認識しか抱かないだろう。
しかし、実際には『混血の里』は、その成り立ちとはまるで違う現実を迎えていることを知る人間は少ない。
「『混血の里』………一体どれほどの人種が交わったのでしょうねぇ。キャロライン、君の身体には一体いくつの血が流れ、いくつの潜在能力を身に着けているのかな?それ程までに遺伝的な可能性を集約し続けた里の一族は、『果たしてなんという種族なのかな』?」
「さぁねー。とりま見た目はヒューマンだからヒューマンで通してるけど……敢えて名づけるなら『合成人』が妥当かなー」
「ふふっ……貴方と肉
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