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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
語り言
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に聞いた話の内容を必死にリフレインしていた。

兄――――小日向相馬は、戦争を起こそうとしている。

それも半端な規模ではない。米中露がもし本格的に絡むとしたら、冗談抜きで世界規模になるはずだ。

だが、あの天才が何の目的もなくそんなことをするはずはない。快楽主義者という訳でもなかった。いつでも無邪気に濁っていたあの瞳が見ていたものは、そんな低俗なモノでは絶対にない……はずだ。

となると、そこには必ず明確な目的があるワケで、加えてそれはあまり他者に迷惑をかけなかった(というより興味のなかった)兄の定義を曲げてまで成し遂げたいものとなる。

―――兄ちゃんが揺らぐモノ。

そして重要なのは、小日向相馬が本格的に活動しだした時期だ。

六年前。

SAO事件が発生したのが今から約三年前の二〇二二年。アインクラッドの中で相馬の後ろ暗いところに触れ、そして彼自身の行方も知れなくなったのがそこが境目なので、自然と蓮も相馬が暗躍し始めたのはそこら辺だと錯覚していた。

だが、それだと精算が会わない。

確かカグラの話によれば、SAOを初めとしたザ・シード規格全てに対応している心意(インカーネイト)システムや、マイにコントロールが一任されている、いまだに全容が分かっていないBBシステム。そして何より、マイやカーディナルの魂――――フラクトライトを生み出したのが小日向相馬だったという。

つまり相馬は、まだ蓮や木綿季がSAOに閉じ込められる前。

重國の話によれば、それよりさらに三年も前から世界の暗がりに足を踏み入れていたということになる。

――――何を、何を考えてるんだ……?兄ちゃん。

無意識に膝の上に置かれた拳に力が入る。

その時だった。

「大丈夫ですか?」

低い低音。ふと顔を前に戻すと、運転席に座った八伎がバックミラーでこちらのことを見ていた。どうやら赤信号で止まったのを見計らい、声をかけたらしい。

傍目にも分かるほど酷い顔してたのかな、と自嘲気味に自身をいさめながら、少年はひらひらと手を振った。

「ああ、だいじょぶだいじょぶ。ちょっと色々聞かされてオーバーヒート気味なだけだから」

「…………?いえ、私が言いたいのは――――」

まだほとんど会話という会話を交わしてはいないが、このインテリヤクザな男にしては珍しく、困惑したように小首を傾げた。

そして言う。

純粋に、単純に。

心配そうに、言った。



()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」



…………………………
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