暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
語り言
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上に転がった小さな機械にうさんくさい目を向ける。
「……この際、500年だろーと1000年だろうとどっちでもいいんだけど」
なんだか10年持つという鍋を押し売られているような気分だ。普通に一年でブッ壊れそう。
胡乱な目つきを隠そうともせず、少年は四肢を弛緩させた。
「溜めに溜めて、本題がコレなの?シゲさん」
「かははっ、一応世界の重鎮達が一斉に立ち上がったぐらいは刺激ある話題だと思うんじゃがなぁ」
「よーするに老い先短いヒト達が保身のためにーっていう秘密道具でしょ?これ」
片目を瞑り、蓮は身も蓋もないことを言う。
重鎮というか、一世代後から見れば駄々こねる老害以外の何物でもないだろう。とっとと認知症だか痴呆だかで老人ホームにブチ込んだらいいのに。
加えて
「シゲさんもこうやって実物を持ってるってことは、シゲさんも欲しいの?永遠に近い命ってヤツ」
「ご免こうむるのぅ。永遠を生きるのも面白そうじゃが、たとえ儂が死んでも揺らがん後釜を育てる方が断然面白そうじゃ。それに、コイツは本物のダミー・レコードではないよ。先行して配られたお試し版のようなもので、機能と言えばフラクトライトを抽出し、封じ込めるくらいかの」
まさしくダミーである、何製かも不明なハコを何とも楽しげな顔で弄ぶ老人。
恐らくは久しく感じえない未知というものに直に触れ、テンションが上がっているのだろうか、とテキトーに推測する少年に向け、重國は言葉を続ける。
「それに、これにはブラックボックスが多すぎる。進んで魂を差し出すのはぞっとせん話じゃよ」
「だろうねー」
「そして、これの本当の脅威は別にある。明確な確証もない、ただの噂と言ってもいいレベルなんじゃが、このダミー・レコードにはある付随情報があるんじゃ」
こと、と老人は高級な京畳の上にダミー・レコードを置き、改まった。
これが今日の話題の分水嶺であると言わんばかりに、老人の顔に濃い影が落ちる。
庭先にある鹿威しの音さえ、どこか非現実的に響いた。
「いわく、ダミー・レコードは《アカシック・レコード》への――――鍵である、と」
「アカシック……レコード……?」
聞いたこともない単語。
だがそれは、少年の心に言いようのない不安を掻き立てた。
数度、その言葉を口の中で転がした蓮は、眉根を寄せながら言葉を重ねる。
「それは、何なの……?」
「資料上では、小日向相馬が中東で完成してのけた次世代演算装置――――とだけあるの。じゃが詳しいスペックは紛争の混乱の中に消えておる」
「演算装置……スパコン、みたいな?」
「わからんな。当時の中東は混乱の極みだったからのぅ。おそらくはそれこそが彼奴の目論見だったか
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