第45話バット・チェイサー
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
もそれは『恋愛』の『好き』であって、『好き』には色々な形がある。『家族』として『好き』、『友達』として『好き』、そんな感じに『好き』には色々な形がある。それをユイちゃんに分かるように伝えるにはどうすればーーー
「・・・ユイちゃん、『好き』には色々な形があるんだ。『恋人』として『好き』、『家族』として『好き』、『友達』として『好き』。『好き』にはたくさんの意味があるんだ。形は違えど、大事な物は一緒っていうか・・・優先順位みたいな物はないんだ」
『え!?』
「う〜ん・・・具体的な例を教えてください」
なんでライリュウくんが答えるの?別にいけない訳じゃないけどーーーこういうのは女の子が言う物なんだと思うけど。ユイちゃんに具体的な例を迫られ、『う〜ん』と頭を捻ってーーーピコンと電球が光ったような顔をした。
「じゃあ・・・ユイちゃんにとってパパとママ、優先順位はどっちが上?」
この心理は、ユイちゃんのような幼い子供に対して使うのが一番正しいのだろうかーーーその問いに対して、ユイちゃんも『う〜ん』と頭を捻るけれど、そう簡単に答えが浮かぶ訳もなく。選択した答えはーーー
「・・・比較不能です」
「それで・・・いいんじゃないかな?」
比較不能でいい。その言葉を機に、《スプリガン》の少年と《ナビゲーション・ピクシー》の笑い声がこの場所を支配した。リーファちゃんが状況を理解出来ていないのは仕方ないだろうけどーーー
「なんだ?この状況は・・・」
「キリト、もう戻って来たのか」
「お帰りなさい、パパ。今ライリュウさんとお話しをしてました。『『好き』という気持ちに優先順位は存在しない』って、教えて貰いました」
「ライリュウ・・・お前ユイに何を吹き込んだんだ?」
「睨むな親バカ」
キリトくんがたった今戻って来て、この状況に関して質問をしてくる。ユイちゃんに事の経緯を教えて貰ったら彼はーーーライリュウくんを睨みだした。ライリュウくんも親バカは言い過ぎーーー
『『パパ』と呼べ『パパ』と!もしくは『ダディ』でも可っ!!』
ーーー何も言わないでおこう。
キリトくんはご家族がご飯を作り置きしてくれていたから、そこまで時間はかからなかったらしいーーー
「・・・っ!?」
「?ライリュウ、どうしたん?」
突然ライリュウくんの様子がおかしくなった。辺りを見回して、何かを探しているかのように顔が険しくなっている。
「いや、なんだか誰かに見られてるような気がして・・・」
「え?」
「誰もおらへんみたいやで?」
「ユイ、近くにプレイヤーはいるか?」
「いいえ。反応はありません」
誰かに見られてるーーーライリュウくんはそう言うけれど、近くにプレイヤーはいない
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ