四十八話:かつての英雄
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カさんなんですね。しょうがないから私が説明してあげましょうか。今から150年前に管理局を創り上げた3人はご存知ですか?】
「何をいきなり―――まさか…!」
管理局員であれば勿論その存在は知っている。しかし、誰もその顔を見たことをなければ名前を知っている者もいない。不自然なまでに隠蔽された実態。三提督を目立たたせることで今の今まで正体を隠していた三人の伝説の一角。
【その通ーり。管理局の創設者にして次元世界の平定者、まさに伝説の英雄。それがあなたの敵】
「今まで管理局を見守ってきたが、後継の者達が情けないので私達自らが動くことにしたのだよ」
英雄として崇められてもおかしくないというのにわざわざ名前や情報を規制して自らの存在を消して陰に徹してきた。それも全ては管理世界がより良い繁栄を迎える為に。最高評議会は普段は実権など握らずに静かに後継を見守ってきた。
そもそも後を継いだ者達が世界を平和にしていれば、大きな変革を生み出して入れば安心して三人共寿命を迎えていただろう。だが、彼らの基準からすれば後を継いだ者達はどれも満足のいく者達ではなかった。だからこそ、再び表舞台に立つことを決めたのだ。
「世界を平和にするなんてそんな簡単にできるものじゃないです! 私達を信じてください!」
「150年待った、しかし結果はこの様だ。未だに世界に平和が訪れる兆しはない」
もはやそこには失望もなければ諦めの念もない。一つの方法がダメだったならば別の方法で試すだけというどこまでも合理的で実利的な思考。怒り狂うよりもよほど恐ろしい。そんな相手を説得するためになのはは反論の声を上げる。だが、しかし。
「もっと時間をかければ―――」
「―――私達は30年程で次元世界を平定し、質量兵器を禁止にしてみせたが?」
男の言葉になのはは何も言い返せなかった。目の前にいるのは嘘偽りなどない本物の英雄だ。前人未到のことを成し遂げた。不可能を可能にしてみせた。その人間と同じようにできる人間はそう簡単には現れない。だから、彼らも待った。時間をかければ才無き者達であっても平和を成し遂げられるだろうと信じて待った。しかし、幾ら待てども何も変わらなかった。五倍に等しい時間を待ったにもかかわらずにだ。
「他の者にできないのであればできる者が成し遂げる。これはそれだけの話だよ」
【これだと、あなたの方が悪役に見えちゃうかもしれませんねえ】
「クアットロ、そのように相手を乏しめるのは優雅ではない」
【これはこれは、失礼しました。では、私は遠くから観戦しておきますね】
厭味ったらしい笑いを一つ残して消え去るクアットロ。残されたのは睨み合う二人と玉座の上にいるヴィヴィオのみ。知りたくもなかった事実に心が揺らぎ今ここに自分が立っている意味を問
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