第1話 廃校
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先生を睨みつけると終始微笑むだけだった。
『私、いい仕事したでしょ!』とでも言いたげな表情。
イライラは止まらないがここは抑えて、深呼吸をする。
『.....この学校をあなたに救って欲しいです』
始業式兼入学式前に告げられた理事長のお願い。
俺に、救って欲しいとか。
「俺に何ができるってんだよ...」
まずクラスに一人も話ができる女子すらいないんだぞ?
「あ、あなた!」
とにかく、なんとかクラスに馴染んでいくしかないよな。
「ねぇ!そこのあなた!」
「はぁ.....最悪だ...」
ため息まじりに唐揚げをちょいとつまんで口へ運ぼうとする。
「あの!聞こえてますか!!」
「うわぁっ!!」
突如眼前に広がるのは見たことのあるような少女の顔。
この柔らかい匂いも嗅いだことある。
「あ!俺の唐揚げっ!」
箸から唐揚げが無かった...土の上に落ちてすでに蟻の餌となっていた。
俺の好物がーーーーーーー!
「あ〜ごめんね」
あちゃ〜とした顔をして謝る少女、確かこの子は...
「高坂.....さん?」
「やっほ!さっきぶりだね!」
「ど、どうも...」
そして持ち前の太陽のように眩しい笑顔で微笑む。
これは....さっきは変な感覚が過ぎってなんとも思わなかったけど
可愛い!!!可愛すぎるぞこの子!!!
明るいポジティブのような性格にこの笑顔!
普通男子はほっとかないんじゃないか?まぁ...だからといって
恋愛感情に発展しないだろうけど。
「笹倉君、2組なんだよね?私も同じクラスなんだ!よろしくね!」
「え?」
だってさっき教室にいなかったじゃないか。サボってたのか?
「穂乃果さっき気絶しちゃって保健室にいたんだよね〜ははは」
「気絶?もしかして廃校のことでですか?」
「そうなんだよね、穂乃果のお母さんも音乃木坂で私もお母さんもここが大好きだから。だからショックだったんだよ。」
さっきと違って笑っているがどこが寂しげな感じがする。
きっとそのくらいこの学校が好きなんだろう....
いいなぁ...そんな風に思い出があるのって。
「笹倉君は廃校のことどう思う?」
「え!?俺?....俺は...」
いきなり話を振られてまごまごしてしまう。
どうって俺は.....どうしたいんだろう。
きっと何かが俺の中に足りないんだ。それに気づけばやるべきことも自然と出てくる筈なのに
『--く〜ん!ほらみて!おおきなおつきさま〜!』
『えへへ...--くんといっしょにいるとたのしいな〜♪』
また、頭を締め付けられるようなキリキリした痛み
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