暁 〜小説投稿サイト〜
μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第一章 それは始まりの物語
第0話 それは突然の出来事
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 直後鳴り響く、どこの学校にでもあるようなチャイムの音に何かを言いかけていた彼女の声が止まる。一体なにを言いかけたのか尋ねようとしたが、

「あっ!いけない遅刻だ!!やっばいよ海未ちゃん(・・・・・)にまた怒られちゃうよぉ〜!」

置いてけぼりの俺に見向きもせずに穂乃果と名乗る彼女はスマホの画面を確認しながら立ち上がる。ついでにスカートについた埃を払って一言添える。


「ごめんね大地くん(・・・・)!!話はまた後で!!!」
「え?や、あの君???」




 俺の言葉に見向きもせずに彼女は一目散に校舎内に全力疾走していった。
付け加えると、校舎の前で立ちはだかる教師に声をかけられて、頭をペコペコしていた。



「……相変わらずだな(・・・・・・・)



 何も考えずに、何故だかそんな言葉が出てきた。
そして言ってから、自分の発言に気づく。何故そう言ったのかわからない。考えられない考えたくない。
 でも、縄で頭を締め付けられるような感覚に襲われながら、一つの光景が浮かんでくる。
それは、幼い男女のやりとりの光景だ。


目が虚ろな男の子が母親に車に乗せられていて、それを見送る女の子は涙と鼻水と涎で顔をぐしゃぐしゃに汚しながら別れの言葉を告げていた。


『―――くん、こんどはいつあえるの?』
『……わかん、ない。でも、いつか……またあえる、よ?』
『ほんと!やくそくだよ!!』
『やく、そく?……うん、やく、そく』


 そう言って女の子が差し出す小指に男の子の小指を絡めて指切りしていた。
この二人が一体誰で、どんな関係なのかわからない。でも自然と、懐かしい気がしていたのは確かだ。




「……」



 頭痛が治まり、俺はゆっくりと立ち上がる。
この門をくぐれば新しい生活のスタートだ。



......ふと疑問に思った。


俺は自分の名前を名乗っただろうか......。





〜☆〜







「新学期早々たるみ過ぎです!!!」
「だからってそんなにぷりぷり怒らなくてもいいじゃん!!海未ちゃんの怒りんぼー!!」



 新学期早々遅刻するとは自分でも思わなかった。
昨日はご飯食べてすぐお風呂入ってベッドに転がったのは10時前。だけどそのまますぐ寝られると思ったら大間違いで全然寝付けず、スマホを弄っていたら気が付けば1時を越えていた。

以上、寝坊するまでの経緯である。

「おはよう穂乃果ちゃん。やっぱり穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだね」
「おはようことりちゃん!なーに?ことりちゃんまで穂乃果にお説教するの?怒りんぼ魔人は海未ちゃんだけで充分だよ!!」
「誰が魔人ですか!!」

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