第一章 それは始まりの物語
第0話 それは突然の出来事
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俺が見たのはたった1年で一瞬の世界
それは綺麗で、儚くて……時には脆い夢
誰も助けてくれなくて、教えてくれなくて
小さな頃に見た赤い景色のようで……
だけど彼女は……彼女たちは示してくれた。
伝えるということは
成長するということは
こうも簡単だったんだ、ということを……
???ありがとう
高校2年の春。
彼女達は『夢』を叶える為に……
俺は……その一員として共に歩き出す。
───第0話 それは突然の出来事───
時は高校2年になる直前の春。
桜が舞う季節。
花見が楽しい季節。
母の一言で俺の1年間は変わった。
母から差し出されたのは一通の茶封筒と言葉。
それはごく普通の茶封筒...だけど、裏面を見てみるとそこには知る人と知る国立のそこそこ有名な高校の名前が記載されていた。
俺はその高校名を見ながら母が言ったことを反芻する。
「……は?転入?」
ただいま春休み真っ最中の我が家で、俺の素っ頓狂な声が響く。
「そうよ、母さんが音ノ木坂学院出身なのは大地も知ってるよね?」
「あぁ...だけどそれと何が関係あるんだよ。そこって女子高だろ?」
俺が今言った通り、茶封筒を差し出した高校は国立音ノ木坂学院という由緒正しい女子高である。
……そう、女子高である。意味が分からない、どうして俺が女子高に転入しなきゃならないんだか。
俺の記憶に間違いがなければ、音ノ木坂は国立校でありながらそこまで偏差値も高くなく、比較的優しい高校だ。それでも音楽系統に秀でていて、テレビとかよく出演しているとある歌手も、実は音ノ木坂出身だったりする。
この春から全国でも有名な進学校の二年生になる俺が普通の高校に行くって...俺の今までの努力を踏みにじる気なのだろうか...俺の母は。
「音ノ木坂……もしかしたら廃校になるかもしれないのよ」
「……廃、校?廃校……廃校ねぇ〜それって俺に関係あるのか?」
「大地には直接関係ないよ。だけど、貴方に助けて欲しいのよ。音ノ木坂の理事長、”南”っていうんだけどね、母さんの同級生なのよ」
「ふ〜ん……同級生ねー」
適当に相槌を打って茶封筒の封を切って、中から三枚の封筒を取り出す。一枚は『音ノ木坂学院転入の案内』で、しっかり南理事長とやらの印鑑がしっかり押されている。
二枚目は入学許可証に三枚目は学生カードだ。すでに俺の証明写真の貼られた学生証を見るに、水面下で勝手に親どもが算段を付
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