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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十六話その3 女性士官学校の生活のほんの一部です。
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開している5500隻の艦隊にいることを把握できている。
フィオーナは艦隊を後退させた。それも急激な後退ではなく、時に緩やかに、時に急に、相手を離さず、寄せ付けず、球形陣形のままじわりじわりと後退をしていく。
イルーナ・フォン・ヴァンクラフトの指揮する艦隊も、正面、側面、ともに押し詰めてきていた。フィオーナが後退の速度を速めれば、その間合いを詰め、緩やかになればその間合いを保つ。絶妙な艦隊指揮だった。
この状態が約10分ほど続いたところで、突然フィオーナは采配を振った。ちょうどフィオーナが後退の速度を増速し、敵がそれに乗じた瞬間である。
「今です!球形陣形を解除、上下に散開し、急速前進!!!」
パカッ!!とまるでパックマンの口の様に分かれた艦隊が上下に散開し、8000隻の高速艦隊をいなし、あっという間に5500隻の正面艦隊に上下から襲い掛かった。それは上下からサンドイッチするような光景だった。イルーナの5500隻が『お肉』だとすれば、フィオーナの上下の艦隊は『パン』である。
「ファイエル!!」
フィオーナが澄んだ声で指令した。上下から集中砲撃が5500隻の艦隊を襲う。イルーナ・フォン・ヴァンクラフトの艦隊は数を討ち減らされて、壊乱状態に陥った。
ところが、である。フィオーナはディスプレイ上、宙域図形で、自軍の周りが突如として赤い敵軍の光に包まれるのを見て愕然となった。イルーナの別働部隊7000隻がフィオーナの旗艦部隊(パンの上半分部隊)をすっぽりと包囲していたのである。
高速艦隊ならではの急速反転回頭急襲戦法だった。
「フィオーナ。攻撃の最中も背後や側面に気を付けなさいと、言ってあったでしょう。・・・全艦隊、突撃!!一点突破を図るわ」
8000隻艦隊と5500隻艦隊の集中砲撃によって、フィオーナ側の包囲陣形に穴が開き、イルーナの5500隻艦隊は突進して突き崩し始めた。ちょうど内部と外側から爪楊枝を刺しあげ、さらに『パンの上半分』をツイストにギュンギュンとねじり始めた格好である。
だが、フィオーナも負けてはいなかった。あっさりと主砲の射線から艦隊を引き上げさせ、ズタズタに引き裂かれた艦隊を収縮して見事に再編成して見せたのである。
ここからが正念場!!
と誰もが思ったのかもしれない。損害数においては、フィオーナもイルーナもほぼ互角であった。前半はイルーナが優勢で、後半は一転してフィオーナが、そしてまたイルーナが盛り返してくる、などと息もつかせぬ攻防の連続。ここからが勝負どころだろうと誰もが思っていた。だが、それはあっけなく終わった。
なぜか?
時間切れだったからである。無情にも制限時間終了を知らせるブザーが鳴った。
「ああああ〜〜〜!!!」
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