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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第十六話その3 女性士官学校の生活のほんの一部です。
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帝国歴481年1月5日――

 女性士官学校は、アンヴェイル地区の旧家を取り壊しまくり、広大な敷地を確保してそこに白亜の立派な建物をいくつもたてた、幼年学校や士官学校をはるかにしのぐ施設なのである。まず正面には広大な庭があり、綺麗にガーデニングされた、不思議の国のアリスもびっくりな世界が広がっている。メルヘンなガーデンとして観光名所にもなっているほどである。そのガーデンを進んでいくと、中央にキラキラと眩しく水を放つ噴水が鎮座している。
 そこを通り抜け、ホワイトハウスもびっくりの白い講堂のような巨大な建物が中央学棟である。
 足掛け3年目、ようやく形ができてきた女性士官学校では、いよいよ今年で第一期生の卒業を迎えることとなる。3年間みっちりと訓練を積み重ねた女性士官候補生たちは、年齢も出自も違えど、すでに一つの同期としてほぼ仲がいい状態となっていた。

 貴族の子弟も一部いるが、そう言った者は貧乏貴族の令嬢であり、生活ぶりも庶民と変わらなかったから、意外にあっさりと平民たちを受け入れることができていた。

 イルーナは第一期生として戦場に向かうこととなっているが、フィオーナ、ティアナサイドはそうではなく、まだ1年は残る予定であった。現場に出るのは最低でも15歳になってから、というのが上層部の判断である。イルーナ・フォン・ヴァンクラフトは今年16歳に、フィオーナとティアナは14歳になる予定であった。

「いったい教官はどこに行くんでしょう?」

 広いガラス張りの食堂で3人でお昼を食べながらフィオーナはふとかつての自分の教官に話しかけた。

「さぁ、どこかしらね。なんにしても・・・そう、やりがいのあるところがいいわね」
「教官ならどこに行ってもやっていけます」
「あら、そう買ってくれるのはありがたいけれど、私だって人間なのよ。不安に思うこともあるし、時には怒りだしたくなることも、逃げ出したくなることもあるわ」

 前世ではイルーナ・フォン・ヴァンクラフトは若干20代前半で騎士団のトップに就任し、以後様々な改革を実践し、激動の時代を生き抜いてきた実力者なのだ。それを良く知っている後輩の二人は意外そうに顔を見合わせた。

「何にしても、フィオーナ、ティアナ。私たちはラインハルトの麾下になって彼の覇道を補佐するまで、死ぬわけにはいかないわ。地位や名誉などはラインハルトが実力をつけ、私たちがその麾下に入れば、自然とついてくるものなのだから、武勲は二の次よ。あまり視野狭窄になっては駄目。いいわね?」
「はい」

 フィオーナがうなずき、ティアナも、

「大丈夫です。イルーナ教官がオーディンからいなくなっても、ラインハルトとキルヒアイスのことは私たちが責任をもって見守りますから」

 イルーナは思わず相好を崩した。まだ
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