アグレッシブガールの本気。
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ニコニコ笑顔で話しかけてくる。
「まあ、そういう事で頼む。ラン。」
「そういう事ってどういう事かなー?私にはよく分からないなー!」
「さっき話しただろ……。」
フォルツは今日何度目かのため息をつくとアリスを見て。
「今日は適当に何処かで宿をとろう。」
「分かりました。」
「うちに泊まるという選択肢はー?」
「ない??」
ランの選択肢を拒否すると俺たちは適当な宿を探す為に部屋を後にした。
「んー……つまらないな!そうだ!」
部屋に取り残されたランはニヤリと笑って通信用の魔法陣の紙を取り出した。
「あー!私!私!実は……。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宿がどこも空いてない??」
「はい。すみません。これもギルドリーダー。ラン様のご命令でして……。
『なんかやばそうな剣士とジト目の魔術師。猫を連れてたら間違えない。そいつらを絶対に宿にとめるなー!ギルドリーダーの私の命令だぞー!』だそうでして……。」
俺たちは宿をとろうとして様々な宿を渡り歩いた。これで15軒目。しかし結果はこれだった。
ランによる根回し。どうやらよっぽど俺たちを家に泊めたいらしい。
「……はあ。仕方ない。今日はランの家に泊まるしかない様だな……。」
こうなったらいっそあいつの血をヴァンパイアの花嫁になるまで飲んでやろうかと考えたが。あんなのが花嫁になったら俺の方がたまらない。ストレスで発狂してしまう。
そう考えてふらふらともう一度ギルド本拠地に足を延ばすとニコニコ笑顔のランがそこに立っていた。
「やっほー!フォルツ!どうしたの!これはあれだね?『15軒ほど宿を周ったがなぜか断られた。ラン様に助けを求めるしかない。』そう考えたな!そうに違いない!」
「……。」
こ、こいつ……。
ふつふつと怒りが込み上げてきたがぐっと我慢して。
「ラン。泊めてくれ。」
「えー!アリスとニナは泊めてもいいけどフォルツはなあ……。」
……本当に血を吸ってしまおうか。ランの血もうまい。一時の感情に身を任せれば……。
そう考えたところでランはニコニコ笑顔のまま。
「まー!今日は私の機嫌も絶好調なので許してやろう!感謝しろよ!」
そう言ってこっちに向けて歩き始めた。どうやら相変わらずの茶番だったらしい。俺はまたもため息をつくとランの方に向かい始めた。
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