第二十五話:対決・紅の姫騎士(下)
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欲しいんだ」
「はぁ?」
「だ、だから胸を小さくして欲しいんだ!! ボクはスマートな女性こそ格好いいと思うんだが、み、見ての通り此処だけ、えっと……バイン――イン……なんだ。だ、だから此処を小さくして欲しい! 君の妹君とは趣味が合いそうだけれど、この一点だけはどうしても相入れそうにないんだ!!」
ハッキリ言ってやろう―――《この上なく、くだらねぇ》
必死扱いて作戦ねって、闘って悔しがって、 その結果がコレなのか?
恐ろしいまでにくだららない。くだらねぇにも程がある。……滑稽過ぎて喜劇にもならん。
「……そんなもんなら、俺が一緒に頼んでやってもいいが……」
「ほ、本当かい!?」
「ただ留意しとけ。設定を書き加えたり書きなおした所で、もう概念が固定されているのかお前らの設定は何も変わらない。納得いかないなら書き換えさせたって良い。それで不可能なら諦めもつくだろう?」
「そ、そうなのか……」
激しく落胆するロザリンド。……そんなに嫌なのか、その胸が。
「まぁ、外見にコンプレックスがある奴なんざまだまだ居るんだ。現に俺とて髪の毛が灰色で困ってるからな」
「特別で羨ましいと、ボクは思うけど」
「……兎に角。コンプレックスが有ろうと自分を磨くのも、タダ設定に乗っかるだけより格好良いと思うがな?」
「おぉ……君は良い事を言うね」
何だか微妙に分かりあえたらしい。……いや、真実がどうかは知らんが。
しかし、これはチャンスだな。
「……ロザリンド。提案なんだが、敵対する気が無いなら矛を収めてくれないか?」
「ボクとて悪事など働く気はない。他の堕天使達がどの様な黒い欲望を妹君に叩きつけるのか不安で……寧ろ保護しようと思っていた位だ」
娘奪われる父親や、トバッチリを受ける俺としてはたまったものじゃあないがな。
されど、これはいい流れだ。
「なら共闘しないか? 楓子を守るために」
「それはボクとて望むところさ」
内心、俺はガッツポーズをとった。
メープルを除けば最強の力を持つロザリンドが此方に加われば……当然その時の流れもあるだろうが、これからの闘いが一気に楽になる筈だ。
【A.N.G】を全て捕えるのも、一気に負担が軽くなる。
希望が見えてきた。
「ただし、殺戮の天使は此処で斃させてもらう」
否……すぐに、打ち砕かれてしまった。
「何故……!」
「僕が幽霊として彷徨っていた頃、死神共がどれ程狡猾な手段を用いて、容赦なく幽霊たちをあの世へ送っていたかをボクは知っている。不倶戴天の敵と言っても過言ではなく、一番信用の置けない相手はコイツらに他ならない……故に、後顧の憂いを断つ」
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