第二十五話:対決・紅の姫騎士(下)
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られるとは、並ならぬ勇気を持っているね」
「そんな下らない事で褒めるんじゃねぇ……!」
「フフ、良い目をしているじゃないか」
幾ら睨みつけようとも、生殺与奪の権利を握られている手前、簡単に受け流される。
彼女からすれば、涼風にも等しいのだろう。
それが、異常なまでに悔しい……!
「ところで、妹君は如何しているのかな? 姿は見えない様だが」
「……誰がこんな所まで連れて来るか。攫う気だったなら諦めな」
「ふむ、どうやら誤解されている様だね……ボクは別に、いたいけな少女を拐そうとしている訳じゃない」
「此方に来いなどと抜かしやがったお前に、誤解もクソもあるものかよ」
「それは昨日のボクの言い方も悪かったと反省している、君の意見を跳ね除け過ぎた事もね。……僕が彼女に関わろうとしているのは、ノートに願いを書き込んで欲しいからなんだ」
正直これは予想していた。まあ予想するも何も、ノートと楓子をセットで奪おうとしている事前提で此方は闘っているんだ。
大方更なる力……追加能力が欲しいのだ。能力がある程度固定されている今のままでは、恐らく満足できないんだろうからな。
が……そんな事、幾らなんでも許す気はねえ。
だから、此方がどれだけ絶体絶命だといえども―――
「聞けねえな、そんなもの」
「そう邪険にせずに。大それたことじゃないんだ」
「……ならここで言ってみろ。内容によっては、頼む機会を設けても良いが?」
無論、俺にそんな気などない。
そもそもマリスで試した結果から、ノートに書きたした所でロザリンドは何の変化も起きない事は確定だ。
何より……悔しさと相手方の態度に触発され、俺は吐き捨てるように呟いた。
「う、うむぅ……」
案の定、とでも言うべきか?
ロザリンドはそれまでの勢いをなくし、口を噤んでしまう。
「やはり何か企んでやがるか」
「た、企んでなどいない!」
「なら言えよ」
「…………ぅ、ゃ……その……」
剣を突き付けつつ身体を捩らせるという、前代未聞の器用な珍技を披露する彼女は微妙にキモかった。
だがそれ以前に、様子が変だ……一体何故?
「き、聞いても笑わないと約束するのなら……教えても……」
「……分かった、笑わない。だから言ってみろ」
「う……うおっほん! ……よしなら答えてしんぜよう」
もうキャラがブレブレだ。
口調が変わるぐらい、曰く言いにくい事なのか。
何度も何度も咳ばらいをし、コロコロ表情を変えながら、漸く決心が付いたか―――ロザリンドは大きく吸い込んだ息と釣り合わない、小さな声で“願い”を口にした。
「……………………………ボクの胸を、小さくして
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