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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第67話
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部屋を出たリィンは自分の部屋と向かい合っている位置にある扉に近づくと人の気配を感じて立ち止まった。



〜パンダグリュエル・貴賓区画〜



(人の気配……誰かが中にいるみたいだな。)

「アン……?開いてるぜ。勝手に入って来な。」

リィンが扉をノックすると聞き覚えのある野太い声が聞こえて来た。

「(この声は……)―――失礼する。」

そしてリィンが部屋に入るとそこには帝国解放戦線の幹部である”V”―――ヴァルカンがいた。



「なんだ、小僧かよ。”C”との話は終わったのか?」

「”C”じゃない―――クロウだ。少なくとも俺達にとっては。」

「ハン、それが本名ってのはもちろん知ってるが……解放戦線じゃ”C”は”C”―――若いながらも誰もが認めるリーダー以外の何者でもねぇな。」

「……………」

ヴァルカンの話を聞いたリィンは複雑そうな表情で黙り込んだ。

「まあ、座れや。この際だから聞きたいことが色々とあるんじゃねえのか?」

「……話してくれるのか?」

「クク、質問にもよるがな。」

そしてリィンはヴァルカンと向かい合う形でソファーに座った。



「……単純な確認だが……あんたたち”帝国解放戦線”はどのくらい残っているんだ?鉄鉱山の爆破がフェイクだったのはもうわかっている。」

「ああ……でもま、10人くらいだな。内戦が本格化してから一気に人が減っちまったしな。」

「それは……」

帝国解放戦線のメンバーの少なさに驚いたリィンだったがその理由がオズボーン宰相の暗殺を成し遂げたからである事に気付いた。



「―――”最大の目的”を達成したからか。」

「クク、そうだ。俺達の背景は色々あったが共通点は”鉄血”の野郎を憎んでいたことだったからな。”C”が鉄血を片付けた今、これ以上続ける理由はねぇ……ま、抜けるのも無理はねぇだろ。」

「…………クロウは……内戦が終結するまで見届けるのが彼なりの”勝負”だと言っていた。あんたも含めて、残っているのはみんな同じような理由なのか?」

ヴァルカンの話を聞いて目を閉じて考え込んだリィンは目を見開いてヴァルカンを見つめて問いかけた。



「ハハ、そうだな…………他の連中はともかく俺はどうなっても構わねぇのさ。元猟兵で、それなりに戦えるからこの状況は望むところだしな。領邦軍の阿呆どもに機甲兵の扱い方を教えるのも面倒くせぇがやり甲斐はある。ま、戦線が解散したらしたで適当にやって行くだけのことだ。」

「……そうか。…………宰相暗殺やトリスタ襲撃を肯定することはできない……だが、アンタたちがテロ組織を解散するというのは個人的には良い事だと思う。」

「クク、おかしな小僧だ。お前らを
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