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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
外伝〜”帝国解放戦線”リーダー、クロウ・アームブラストの過去〜
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から自分の経歴を完璧に偽装して……オレは帝都に程近い、”大帝ゆかりの士官学院”に入学した。全ては計画のために―――”鉄血”の首を獲るために。」
「…………………」
クロウの過去を聞き終えたリィンは辛そうな表情で黙り込んでいた。
「おいおい、立場が逆だろ。どうしてお前がそこまでヘコんでやがるんだ。」
「……そう…………だな…………」
「ったく……――別に鉄血の野郎が”悪”だと言うつもりはねぇ。」
「え……」
クロウの口からふと出た意外な言葉を聞いたリィンは呆けた。
「ただまあ、祖父さんがヤツに”してやられた”のは確かだ。祖父さんの仕込みで、チェスやらカードゲームは得意だったからな。そうなると”弟子”としては師匠の仇を討ちたくなるってモンだろ?」
「クロウ……」
「帝国に存在する歪み……それが鉄血が拡大してるのは確かだった。それらを見極め、最大限に状況を利用し、乾坤一擲の一撃で
勝負
(
ゲーム
)
を制する。ジュライが今、平穏であるのを考えると……勝負事の”後始末”―――内戦を終了させて、帝国に平穏を取り戻し、メンフィルとの外交問題も解決する必要もあるだろう。だから―――そこまでがオレの”勝負”ってヤツだ。」
「あ………………」
クロウの意思を知り、黙り込んでいるリィンを見たクロウはポンポンと軽くリィンの頭を叩いた。
「……お前がオレに引き摺られる必要はねぇ。ヴィータも言ってたが、何の為に剣と力を振るうのかちゃんと考えておくんだな。何よりもお前自身の為に。」
「クロウ……」
そしてクロウはテーブルに置いてあるバスケットを回収した。
「さてと、長居しちまったな。一応、お前は”客人”扱いだ。お偉方も帝都に戻る頃合いだし、せいぜい好きに過ごすといいだろう。」
「え……」
クロウの言葉を聞いたリィンが呆けたその時機関音が聞こえ、窓の外を見るとカイエン公爵と共に飛行艇の出入り口にいたクロチルダがリィンに視線を向けてウインクをし、飛行艇は去って行った。
「……………………」
「ま、わざわざ見張りはつけねぇから脱出したけりゃ勝手にするといい。ただし―――オレももちろんだが、結社の連中、ヴァルカンにスカーレットまでいる。全員を振り切れればの話だがな。」
「くっ……」
脱出状況が厳しい事にリィンが唇を噛みしめている中、部屋を出ようとしたクロウはある事を思い出して立ち止まり、リィンへと振り向いた。
「そうそう、2階の”主賓室”にはとびきり可愛い”ゲスト”もいる。訪ねてやったら喜ぶだろうからせいぜい顔を出してやるといい。ま、他の子に妬かれない程度にな。」
(”ゲスト”……いったい誰の事だ……?”主賓室”
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