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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
外伝〜”帝国解放戦線”リーダー、クロウ・アームブラストの過去〜
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帝国正規軍が全て受け持とう。代わりにジュライは栄えある帝国の一員となり……今後は”経済特区”として更なる発展を遂げてもらいたい。』
―――よくよく考えりゃ、余りにタイミングが良すぎる提案だ。当然、祖父さんは警戒して様々な対抗策を打ち出そうとした。だが、一度味わった繁栄の果実は忘れられないのが人間ってモンだ。
有力商人が多かった市議会はその提案に真っ先に飛びついて……関税撤廃やら、特区としての税制優遇やらをチラつかされて市民の多くもその気になっていった。―――そんな中だった。祖父さんに、鉄道爆破事件の容疑がかけられたのは。
ジュライの伝統を誰よりも愛し、市民の誰からも慕われていた老市長。だが、市議会からは糾弾を受け、踊らされた市民の一部からは謗られ……そうして祖父さんは市長を辞職し、ジュライの帝国への帰属が決定した。祖父さんが辞めた、その日のうちに。」
「……………………」
クロウが故郷にいた頃の話を聞き終えたリィンは複雑そうな表情で黙り込んだ。
「ちょうど8年前のことだ。祖父さんは悪くないのは誰もがわかっていた。鉄道爆破を仕掛けたのが本当は”誰”だったのかも。だが、皆で見て見ぬフリをしたってわけだ。……な、よくある話だろ?」
「クロウ………………………その後、お祖父さんは……?」
寂しげな笑みを浮かべるクロウに視線を向けられたリィンは辛そうな表情で黙り込んだ後尋ねた。
「ああ、ポックリ逝っちまったよ。」
「っ……!」
「市長を辞めてから、鉄道爆破の件は結局うやむやになっちまってな。楽隠居を決め込んでから半年後に身体を壊して、あっという間だった。まあ、なんつーか糸が切れちまったんだろうな。」
「…………クロウ…………」
自分の話を聞いたリィンが辛そうな表情をしている中、クロウは話を続けた。
「―――さっきも言ったが早くに両親を亡くしたオレにとって肉親と言えるのは祖父さんだけだった。ダチや知り合いは多かったが………全部捨てて13でジュライを去った。各地を流れ、色々と手を染める中―――カイエンのオッサンと知り合った。
まあ、スポンサーってやつだ。そうして、同じようにはみ出しちまった連中を集めて―――16の時に”帝国解放戦線”を作った。ギデオン、スカーレット、ヴァルカンとはその時以来の知り合いってわけだ。
そんな中、カイエンの所に出入りしていたヴィータに導かれて…………海都オルディスの地下に眠っていた蒼の騎神―――”オルディーネ”と邂逅した。お前とは違って、たった一人で似たような試練を潜り抜けて……そして蒼の
起動者
(
ライザー
)
として認められた。それが3年前の事だ。
そして―――全ての準備を終えて
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